「RANGER」について

RANGER」とは、

自衛隊のレンジャーではありません。

スーパー戦隊のレンジャーでもありません。

ここでの「RANGER」は、様々な視点を獲得しながら「幅(RANGE)を愉しむ人」たちのことを指します。

そして、記事を書いているライターはまさに「RANGER」であることを望む人たち。

様々なRANGER達が幅を愉しむ様子を、記事を通してお楽しみいただければと思います。

科学ジャーナリストのデイビッド・エプスタインが著した「RANGE」という本の中に、大変興味深い研究報告が上がっています。

ある研究者達は、880の組織の3万2000チームによる15年間の「技術特許」を分析しました。

その中で、

・個々の開発者がチーム間を移動するのを追跡し、それぞれの「発明のインパクト」を検証する

・各技術分野の「不確実性」を測定する

ことを行ったそうです。

すると、「不確実性が高い分野」には、全く役に立たなかった特許が多数だったが一方で、「大当たり」した特許もいくつかあることが分かりました。

将来の方向性が明確な「不確実性が低い分野」は、まあまあ役に立つ程度の特許が多く、大当たりはありませんでした。

そして、まあまあ役に立つ程度の特許を開発しているのは「専門特化のスペシャリストチーム」が多かった一方で、大当たりした特許を開発していたのは「幅広い技術分野に関わった経験のある人がいるチーム」だった、という結果が報告されています。

これは要するに、分野の不確実性が高ければ高いほど、チーム内に「幅の広い人材」を持つことが重要であることを示唆している、ということです。

さらに別の研究結果もあがっています。

幅の広さ」は「クリエイティビティ」にもポジティブに影響していたのです。

「コミック」のジャンルには、コメディーや犯罪、ファンタジー、アダルト、実話、SFなど20程度あります。

この研究によれば、経験年数はクリエイターの差別化にはつながらなかった一方で、「幅広いジャンルを経験しているクリエイター」は、平均的に商業的価値の高いコミックや、革新的なコミックを生み出していたそうです。

また、50万本以上の学術論文の中で、分野の異なる知識を組み合わせて行われた研究は、当初は評価されなくても、のちに大ヒットとなる可能性が高い、といった報告も出ています。

まとめると、この本における重要なテーゼを抽出すると以下のようになるでしょう。

十分に説明されていて、理解されている問題なら、スペシャリストが本当にうまく解決する。しかし、曖昧さと不確実性が増すと幅がどんどん重要になる

思うに、専門特化は少しも悪いことではありません。

程度の差こそあれ、誰もがどこかの時点で何かしらの専門を決めます。

しかし、エプスタイン氏曰く、

不確実性の高い現代」や「すぐにルールが変わる意地悪な世界

においては「幅」が大きな力になってくる、ということです。

「幅を愉しむ」というコンセプトから、1文字づつ異なる専用書体で構成された「RANGER専用書体」を開発しました。

「R」はオーソドックスなヘルベチカ、「A」は尖った角が特徴的なフーツラというように、26種類の書体をベースに書体「RANGER Gothic」はデザインされています。

ロゴではなく「書体」の開発となったのは、webメディアにおいて、ロゴはトップに登場する程度で目に留まるシーンが少ないという課題からでした。

専用書体をデザインし、それを色々なシーンで使うことでRANGERのコンセプトである「幅を愉しむ」を視覚化することを目指しています。

ロゴマーク

カバー画像

Designed by STUDY LLC. ゑ藤隆弘

グラフィックデザイナー。1981年静岡県生まれ。

2010年多摩美術大学大学院博士後期課程修了。博士(芸術)。2016年 STUDY LLC.設立。

グラフィックデザイン固有の思考や表現を多様な領域へ展開することを試みている。

主な受賞に、世界ポスタートリエンナーレトヤマ2009銅賞、第22回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ Honorary Mention、日本タイポグラフィ年鑑2019 ベストワーク賞、ボリビアポスタービエンナーレ2019 FIRST MENTIONなど。東京工芸大学デザイン学科助教。東京TDC会員。JAGDA会員。