田中 新吾

『思わず相手が「それはなんですか?」と質問したくなるようなアイテムを持ち、待ちかまえておく』という考え方をふと思い出した。

タナカ シンゴ

最近、あることがきっかけで、思わず相手が「それはなんですか?」と質問したくなるようなアイテムを持ち、待ちかまえておくという考え方をふと思い出しました。

この考え方は対孤独の研究者でOriHimeの開発者でもある吉藤オリィさんのものです。

2018年に以下の本を読んでいる中で私は知りました。

以下で少しだけ引用してみます。

コミュニケーションが苦手な人は、質問がうまくできないことが多い。

であれば、自分から質問するのではなく、思わず相手が「それはなんですか?」と質問したくなるようなアイテムを持ち、待ちかまえておけばいい。

この本によれば、吉藤オリィさんの場合「黒い白衣」がその役割を担っているということでした。

私が2018年に本書を読んだ時、この言及が大変刺さったのは、何を隠そう昔の私がコミュニケーションを苦手としていたからでしょう。

特に高校生の頃はかなりコミュニケーションに苦手意識がありました。

そして、つい最近あることをきっかけにして、オリィさんの考え方をふと思い出したのです。

きっかけとなったのは、2024年8月11日に購入した「コレクトトゥ」という足指スペーサーでした。

コレクトゥとは足指のアラインメント(並び)を改善することを目的に、特に足の変形に悩む人に向けて作られたものです。

参照:Correct Toes(コレクトゥ)

私がコレクトトゥのことを知り、気になり出したのはそれこそ「アルトラ」というシューズにハマり出した頃に遡るため、結構前のことになります。

参照:長年の試行錯誤の末、ついに辿り着いた「普段履き」の決定版 アルトラ「パラダイム」について紹介させてください。

アルトラの価値を感じていたため、なんとなく良さそうだと思ってはいたものの、これまで購入するに至らなかったのは値段がそこそこする(8,000円以上)というのと、実際に付けた時にどうなのか??がわからなかったからです。

長らくそう思っていたところ、8月11日にたまたまストライドラボという調布にあるアルトラのシューズ専門ショップに行くことができ、そこで初めて、ついに「コレクトトゥ」の試着をする機会に恵まれました。

そして、装着した瞬間「これは買ってみたい!」と強く思ったわけです。

この時を境に私の人生は「コレクトトゥ」を共にする人生へと変わりました。

自宅での私はシーズン問わず、四六時中基本的に裸足なので、コレクトトゥはすぐさま生活にフィットしました。

最初の2日〜3日は多少の違和感を感じましたが、今では慣れてきたため、それを付けた状態で外出するようにもなっています。

ビルケンシュトックのボストンというサンダルであれば、付けたまま裸足で履くことができますし、付けた状態で上から靴下を履けば普通のシューズも履くことができます。

5本指ソックスであればソックスの上から装着することも可能です。

このように、寝ている時と入浴している時以外は、基本的に足指には「コレクトトゥ」を付けるという新習慣ができました。

そして、付けた状態で人と会うようにもなり、そこで今まではしたこともなかった「ある経験」をするようになります。

(飲食店などで)私の足指の状態を見た方から「それはなんですか?」と100発100中で聞かれるというものです。

この質問はされるまでは完全に想定外だったのですが、よくよく考えてみれば「コレクトトゥ」を付けている人の方がまだまだマイノリティなのだと思います。

だからこそ、普段見慣れない足指の状況を見たらつい質問をしたくなってしまう、という心理なのかなという思いに至りました。

そして、そのような質問をきっかけに「コレクトトゥ」のことはもちろん、私が大好きな「アルトラ」や「ビルケンシュトック」の話までも拡がり、これも100発100中で、とても楽しい一時を過ごすことができています。

このような時間を重ねていった時に、吉藤オリィさんの、思わず相手が「それはなんですか?」と質問したくなるようなアイテムを持ち、待ちかまえておく、という考え方をふと思い出したのでした。

思うに、あらゆる会話のきっかけというのは、基本的に「質問」です。

しかし、昔の私がそうだったように、コミュニケーションが苦手な人は質問が上手くできないことが多いのだと思います。

そんなコミュニケーションが苦手な人のことを吉藤オリィさんは「コミュニケーション・非ネイティブ」と呼びます。

そして、このタイプの方々がコミュニケーションを取れるように見出した手段が、思わず相手が「それはなんですか?」と質問したくなるようなアイテムを持ち、待ちかまえておく、というものなのです。

この話をふと思い出してこの記事を書きながら考えたことなのですが、現代においてよく使用される「コミュニケーション能力」というのは「質問する力」で測られがちですが、そこには「質問される力」も含まれるのではないでしょうか?

質問される力が高い人もコミュニケーション能力が高いと言えるのではないかということです。

現在の私は、昔の自分を知っているため自分でもとても驚くのですが、どちらかというとコミュニケーション・ネイティブの方に位置付けられるのかもしれません。

両方の側面を知っているからこそ、お伝えできることもあるのかもしれないなと今回の件を通してふと思った次第です。

今回書いておきたかったことは以上になります。

UnsplashChris Mooreが撮影した写真

【著者プロフィール】

著者:田中 新吾

コレクトトゥは足指を自然な状態にしてくれつつ、コミュニケーションのきっかけを作ってくれるので本当に買ってよかったなと思ってます。

お客様(企業や自治体やNPO)が求めるプロジェクトの歯車になるのが仕事。プロジェクト推進支援専門のハグルマニ(https://hagurumani.jp)代表。PJメンバー共通の景色となるネーミングやコンセプトの構築もします。タスクシュート認定トレーナーとして自分らしい時間的豊かさを追求する方々の支援にも注力中。

●X(旧Twitter)田中新吾

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