田中 新吾

「1%」の考え方と習慣にハマっているという話。

タナカ シンゴ

去年から今年にかけて、私の中で一つの「数字」が、単なる割合を超えて、生活のあらゆる局面を支配する強力なOSへとアップデートされた話をしたいと思います。

その数字とは、「1%」です。

巷ではよく「1%の努力」や「1%のひらめき」といった言葉を耳にしますが、私が今ハマっているのは、もっと淡々とした、しかし強力な複利の力を秘めた「1%メソッド(1%の考え方と習慣)」です。

もともと私は、仕事のプロジェクト推進において「15分」という時間を最小ユニットとして捉えてきました。

しかし、昨年ある一冊の本に出会ったことで、その15分が「1日の1%」という鮮やかな意味を持ち始めたのです。

今回の記事では、この「1%」という単位が、いかにして私の人生に影響を与えたのか。

そして、なぜ「1%」に絞ることが、私たちの人生における「取捨選択」を研ぎ澄ませてくれるのかについて、自分の経験を踏まえながら書き残しておきたいと思います。

プロジェクト推進の「15分」が、1日の「1%」という意味に進化した瞬間

私はプロジェクトの推進において、長年「15分」という時間を大切にしてきました。

「企画書を書く」という重たいタスクも、「15分だけ構成案を練る」「15分だけリサーチする」と切り分ければ、驚くほどスムーズに動き出すことができる。

これは私にとって、使い慣れた「仕事の技術」でした。

関連記事:私がタスクシュートを用いて、どのようにして「プロジェクト」を推進しているか?について書く【ユタカジン】

ところが昨年、マグさんの著書『1%読書術』に出会ったことで、私の中の「15分」という概念が大きくアップデートされたのです。

その本には、こう書かれていました。

「1日は1440分。その1%は、約15分である」

この一文を読んだとき、非常に腑に落ちる感覚がありました。

今まで私がプロジェクト推進のために使っていた「15分」は、単なる作業の区切りではなかったのだと。

「毎日1時間、自分のために時間を使ってください」と言われたら、多くの人は「忙しくて無理だ」と答えると思います。

私もそうでした。

でも、「1日のたった1%を、自分の成長に投資してください」と言われたらどうでしょうか。

もし「1%の時間(15分)すら捻出できない」と言うのなら、それは時間がないのではなく、「自分の成長には、1日の1%を使う価値すらない」と宣言しているのと同じことになってしまいます。

このロジックに触れたとき、私の中で「15分」は「1%」という魔法の数字へと進化しました。

つまりは、仕事の技術だったものが、自分をアップデートするための「投資の哲学」へと変わった、ということです。

「多読」ではなく「密度」への転換

かつての私は、「本を読むならまとまった時間が必要だ」「全部読まなければ」と思い込み、 その結果、机には積読の塔がそびえ立つ始末でした。

しかし、「1%(15分)でいい」と決めた途端、読書は「重労働」から「軽やかな知的行為」へと姿を変えました。

最近、私がこの1%読書術で読んだ本の中に、『愛読の方法』という一冊があります。

この本ですが、結構難しいことが書かれているのですが、個人的には以下の箇所に出会うことができただけで、大満足。(他のページはまだほとんど読んでいない…)

今の私は、15分という限られた時間で本に向き合うとき「全部を理解しよう」とは思いません。

今の自分を揺さぶる、1%の言葉(核心)はどこにあるのか?

そう自分に問いかけながら、砂金採りのようにページをめくっていきます。

すると、不思議なことに、1時間ダラダラ読んでいた時よりも、脳は驚くほど貪欲に情報をキャッチしようとします。

15分で強制的に終了するからこそ、心理学で言うところの「ザイガニック効果(中断された事柄の方が記憶に残る)」が働き、「あそこはどういう意味だったんだろう?」という飢餓感が翌日への強いモチベーションにもなる。

1%の読書とは、情報を消費することではなく、「15分間、著者と濃密に対話をし、自分の中に新しい問いを立てる」という儀式なのかなと今は思ったりします。

ジムも昼寝も「1%」という箱に入れる

この「1%=15分」というユニットが定着すると、それは面白いように他の習慣へと染み出していきました。

以前の私は、健康のために「家の周りを15分走る」という習慣を持っていました。

これだけでも十分に価値はありましたが、1%メソッドにハマった今の私は、その習慣をさらにアップデートさせています。

現在は、「早朝のジムで15分走り、15分筋トレをして帰ってくる」というスタイルです。

「ジムに行く」と聞くと、移動や着替えを含めてちょっと「大ごと」に思えます。

しかし、私の中では「有酸素の1%(15分)」と「筋トレの1%(15分)」を組み合わせた「2%の投資」に過ぎません。

「たった15分で何が変わるのか?」と思う人もいるでしょう。

しかし、全力で15分走れば汗はしっかりかきますし、15分集中して負荷をかければ筋肉は確実に悲鳴を上げます。

何よりも毎日しっかり運動できているという状況が自己肯定感に繋がります。

また、昼寝(パワーナップ)も15分と決めています。

これ以上長く寝ると、睡眠慣性(眠気)を引きずってしまうのですが、15分を確保することで、午後の仕事における動作が劇的に軽くなるのです。(ここは個人差あるかもしれません、論文など読みたい。)

これらの習慣に共通しているのは、「始めることへの心理的ハードルが、またぐ必要がないほど低い」ということ。

ここで、私が愛用しているタスク管理ツール「タスクシュート」の考え方とのアナロジーを感じずにはいられません。

タスクシュートには「1分着手」という、究極にハードルを下げるメソッドがあります。

「1分だけ手をつける」ことで開始のハードルを取り除くのが1分着手ならば、 「15分(1%)だけやる」ことで継続の負担を消し去るのが1%メソッドなのかもしれません。

どちらも「1」という最小単位に意識を向けることで、完璧主義という名のブレーキを外し、私たちの足を「淡々とした積み上げ」のフェーズへと進めてくれます。

15分しかないからこそ80:20の法則で「絞る」

ここで、非常に重要な視点を共有させてください。

先日、私がXでこの1%メソッドについて発信した際、こんな反応をいただきました。

「1%しかない」と考えると、思考は一気に戦略的になります。

1%メソッドとは、単なる時短術ではありません。

「1日の1%(15分)で、成果の8割を導き出す真に重要な20%はどこか?」と、自分に問い続ける「集中術」でもあるのだと思います。

1%という制約が、私たちの人生における「取捨選択」を研ぎ澄ませ、優先順位の低い活動を自然と削ぎ落としてくれる。

この「絞る」というプロセスこそが、1%という決して多くはない時間を、とても価値ある時間に変えてくれるのだと思います。

「時間がない」という信念を、複利の力で書き換える

私たちはなぜ、新しいことを始めるのをためらうのか?

それは、自分の中に「時間がない」という強固な信念が居座っているからだと思います。

そして、「今日も何もできなかった」「時間ができたらやろう」という言葉を繰り返すたびに、そのネガティブな信念は強化されていきます。

しかし、1%メソッドを1週間、1ヶ月と続けると、自分の中の信念が静かにアップデートされ始めます。

「15分あれば、本から知見を得られる」

「15分あれば、身体を鍛えられる」

「15分あれば、プロジェクトを前進させられる」

この小さな「できた」の積み重ねが、「自分には1%の投資を継続できる力がある」という強烈な自己効力感へと変わっていきます。

そして、数学的な事実も私たちの背中を押してくれます。

毎日1%(0.01)の成長を積み重ねると、1年後(365日後)にはどうなっているか。

計算上、今の自分よりも約37.8倍に成長していることになります。

1日たった15分で1%成長させるという投資が、1年というスパンで見ると、想像を絶するような大きな変化をもたらす。

間違いなく、複利の力は、お金だけでなく、私たちの「能力」や「習慣」においても正しく機能する。

思うに、1%を続けることは、未来の自分に対して「複利という名のプレゼント」を送り続ける行為に他なりません。

あなたの1日の1%を、どこに投じるか

人生とは、結局のところ「時間の使い方」の総和だと思っています。

1日のうちのたった1%、15分。

この時間を、誰かのSNSを眺めるために使うのか、それとも、自分をアップデートするために使うのか。

その選択の積み重ねが、1年後、5年後の自分という「成果物」の品質を決定づけます。

1%メソッドは、決して苦しい修行ではないです。

むしろ、「1日たった15分でいいんだ」という解放感を持って、日々を愉しむための技術です。

高く、遠く飛ぼうとする必要はありません。

ただ、地面に置かれた小枝のような1%というハードルを、軽々とまたぐだけでいい。

まずは今日、あなたの1日の1%を、自分を喜ばせるために使ってみてはいかがでしょうか。

その小さな一歩が、やがてあなたの人生を、37倍の輝きへと導いてくれるはず。

今回の内容が、みなさんの視点や時間の向き合い方に、新たな気付きをもたらすきっかけになれば幸いです。

【著者プロフィール】

著者:田中 新吾

2026年も1%をボトムアップで積み上げていこうと思います。

◼︎ ハグルマニ(プロジェクトコンプリメンター)
◼︎ 命名創研(命名家)
◼︎ 栢の木まつり 実行委員会
◼︎ タスクシュート認定トレーナー

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