「今ここ」を充実させるために「死生観」を持つ。
自分自身を作品と考えると毎日が修行であることを自覚するのだと思います。
そして、作品として自分を完成させるという意識に変わっていく。
究めた人を名人というけれど、これも人の名作だから名人。強弱勝敗を競うばかりでは一向に修行はすることはできない。
このことはすぐに取り出せるよう引き出しのかなり近いところにしまっているものです。
ちなみに、名人の他にも名が付く言葉はたくさんあります。
名言、名場面、名台詞、名プレー、名作、名著、名山、名地、名所、名曲、名アルバム、名器、名企画、名士、名医、名選手、名木(銘木)、名ドラマ、名アプリ、名ブログ、名ツイート、名コピー など
非常に良い万象を表す時に名を付けるのが我々日本人。そして名が付いた万象は人々に忘れられる事なく次の世代へと受け継がれていくものだと思います。
自分なりにでも死生観を持つことは大事
お盆の時期に子供と一緒に「リメンバー・ミー」を観るのはいいかもしれない。メキシコのお盆だけど。
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) August 14, 2018
お盆の時期に、ディズニーピクサー「リメンバー・ミー」を観ました。
観終わった後も、なかなかあの音楽が頭から離れません。死生観について、大人も子供も考えることのできるいい映画だと感じました。
ストーリーは、主人公が本当に大切なものを見つける王道のヒーローズジャーニーで、個人的に特に刺さったのは使われていた映像。
死後の世界も、あんなに鮮やで賑やかなら悪くないと思ってしまうほどに美しい映像でした。世界観の設定は、流石はピクサーだと思った。
死後の世界は、生の世界の人の記憶と繋がっていて、記憶がなくなれば完璧に死ぬ。肉体的な死だけではなく、忘却による死があり、人は二回死ぬという話。
そう思った時に「死なないように死ぬにはどうしたらいいか」をふと考えていました。
数分後、そのためのベーシックな手段が修行なんだという答えに行き着いたんです。
修行を続けることで何かを究め、誰かにとっての小さくても名人になることができれば、その人の記憶から消えることはない。よって、死後の世界で次のステージを楽しむことができるということだと考えました。
そして、よくよく考えてみれば、死後のイメージがないままに、生を充実させようとすることは本質的でないことに気づく。自分なりにでもいいから死生観を持つこと、特に死の方を考えることは、今ここを充実させるためにとても大事だと思いました。
こんなことを考えていたら、2016年に大ヒットした「君の名は。」のことを思い出した。
この映画を観た時も死生観のことをそういえば考えていました。
なんでかというと、劇中でたびたび「あの世」という言葉が使われていたのと、主人公(滝くん)が好きになった女の子(三葉)は3年前に死んだ子だったからです。
「この世は辛いけどあの世は幸せ」
それにしても、ピクサーの物語はいつも切り口がいい。
見終わった後、必ず何かしら意味のある思考をしています。喋らないロボット、おもちゃ、モンスターにネズミ、そして感情、と観るもの全てが新しいからではないでしょうか。今後の作品も楽しみです。
さいごに
dele(ディーリー)が面白い。
山田孝之と菅田将暉が出演するデジタル遺品をテーマにしたドラマです。最新話は超能力者の死後の依頼をめぐって話が展開しました。まだ4話が終わったところだがスリリングなところがとてもいいです。
偶然にも、最新話の中で「人は二度死ぬ。一度目は肉体の死を迎えた時。二度目は、誰からも忘れられた時」というセリフが飛び出た時には、リメンバー・ミーとラップしてハッとしました。考えを深める時期なのかもしれない、そう感じました。
ナイトドラマ「dele(ディーリー)」が面白い。「デジタル世界である特定の部屋を覗こうとする時にはアナログな『社交性』と『機動力』が必要なんだ」と山田孝之が菅田将暉に言っていて、遠回しに『お前が必要だ』と言ってるのがとても良かった。弱くてすこし強いつながりのある関係性がなんか好き。
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) July 28, 2018
それでは今日はこの辺で!