お客さんの大満足は「顔が見える関係づくり」から。
先日、表参道にある「IKEUCHIORGANIC」に行った。
お目当は友人達の出産を祝うためのプレゼント購入だ。
前に勤めていた会社の仕事で関わりがあった(グリーン電力関係)ため、その名前を知ったのは2015年頃になる。
ちょうど、池内タオルから社名が変わって直ぐのタイミングだった。
当時はオーガニックであることにそこまで価値を感じていなかったが、ここ数年の間にこの企業の価値が個人的に爆上がりした。
IKEUCHIORGANICは、メイン商材であるタオルをはじめ、マフラー、ベッドリネン、インテリアファブリック、アパレル素材などのオーガニックテキスタイルを企画・製造・販売している企業だ。
その最大の特徴は、最大限の安全と最小限の環境負荷というぶれないコンセプトによるものづくりにある。
このコンセプトを追求するために「そこまでするか!」という大小さまざまな取り組みを行っている。代表的なものをピックアップして図にまとめてみた。
見てのとおり、昨今のものづくりに対する社会からのオーダーをいち早く取り入れ、経営の駆動力に変えているロールモデル的企業だ。
ここ数年でこの企業への価値が個人的に爆上がりしたのは、オーガニックであることを含むこうした全体の取り組みによるところがある。
ここまで追求できるのは本当にすごい。
お目当てのプレゼントに関しても、丁寧に接客していただいたおかげで納得して買うことができた。
ちなみに、コットンヌーボー2018のベビーブランケットを3枚購入した。
本当のオーガニックコットンであること。それは、より自然(ありのまま)に近いこと。コットンは、工業製品ではなく植物。毎年、その品質が均一であるはずがありません。違いがあってこそ、本当のオーガニック。
今までデメリットと考えられてきた繊細すぎる品質を個性と考え、毎年、ワインのようにコットンの違いを楽しもう。それが、新しいオーガニックの愉しみ方。「COTTON NOUVEAU/コットンヌーボー」です。
スタッフの方々のユニフォームが「白衣」だったことも強く印象に残っている。
購入後に届いた一枚の手紙
プレゼント用にベビーブランケット購入したのは8月22日。その約一週間後に一枚の手紙が届いた。
おそらく接客をしてくれたスタッフのひとからだと思うが、直筆で購入した商品についての具合を伺うようなメッセージが書かれていた。
企業の取り組みに対しての好感度がすでに高い状態で、いい買い物をして満足していたところに、このような直筆の手紙をもらった僕は大満足して熱狂した。満足ではなく大満足。そして熱狂だ。
正直こんな手紙が来るなんて微塵も思っていなかった。期待の「き」の字も持っていなかった。
そのモノだけでは顧客満足止まり。そのモノの周辺に目を当て、仕掛けることで満足を「熱狂」に変えることができる。仕掛けのポイントは期待値が低いところ。そして熱狂はコストを超えたところにあると思う。だから、ビジネスの起点は好意や愛情であるべき。熱狂に渦はできるけど、満足に渦はできない。
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) April 11, 2018
" サポートに注力するのは、SNS次代の戦略的PRとしては極めて正しい。"
本当この通りと思う。サポート(などの顧客期待値が低いところ)を徹底的に攻めることで顧客は満足を超え、熱狂する。
顧客満足止まりでは、ブログは書かないしツイートもしない。バルミューダのCRM戦略非常に良い。 https://t.co/uWoblsYoAO
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) May 28, 2018
以前、こんなツイートをしたのだが、IKEUCHIORGANICはまさにこのことを実践している企業だとわかった。
熱狂してしまった私はこうしてブログを書いているし、会うひと会うひとにその素晴らしさを伝えている。
顔が見える関係性を作ろうとする姿勢
商売の大原則は、「お客さんを大満足させること」これに尽きる。
事業運営をしたり、自分でも会社を作ってみたりと今日まで、実体験を通して考えてみても、本当に強くそう思う。
そして私は、大満足させるための条件に「お客さんの顔が見えていること」があると思っている。
いい製品、いいサービスであればそれだけで満足はするかもしれない。でも、大満足にはならないと思う。
一方、お客さんの顔が見えていれば「コミュニケーションの中」から何を求めているのかが分かるため、関係性の中から大満足へと近づけることができる。
IKEUCHIORGANICという会社は、お客さんの顔をしっかり見ようとしていて、お客さんを大満足させようとしているんだなあ。
今回もらった一枚の手紙からこんなことを思った。
さいごに
この前、こんなツイートをふとしてみた。
店主の顔が見えて、店主の人柄が分かるお店というのはいつ行ってもなんとなく安心する。
行かない時も「今日はどうしているかな?」とふとした時に想像したりする。
それに、店の名前を思い出すのは時間がかかっても、店主の顔はなぜだかすぐに思い浮かぶ。
商売ってこういうことなんだろうな。
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) August 20, 2018
このことは、この記事を読んでくれているひとの中にも思い当たるところがあるのではないだろうか。売り手の顔は買い手も不思議と覚えてしまう。そして、その顔を真っ先に思い浮かべる。
よく「店の顔」とか「ブランドの顔」という言葉を聞くけれど、これも商売は「顔」であるという普遍的な事実を表すものだと思う。
IKEUCHIORGANICでのショッピング体験は「顔」の重要性を改めて考える良い機会になった。