ワガママに妄想した理想の生活の話。非経済時間比率を上げる!

ある女性が、「娘に髪を切ってもらったの。どう?どう?」といつにもない上機嫌で合流してきた。
人からそんな風に喜びが溢れ出る姿は、なかなかお目にかかれるものではないなあ、そう私は思ってとても印象深かった。
だだ、私はそれよりも今気になっている事があって
、その事に周りを引き込んでしまって、その貴重な姿を自らによって自分からも周りの人からも消し去ってしまった。
気になるのは、インフレのことだ。
食料自給率40%を切っている日本においては、輸入元の海外がインフレであること、それに加えて、円安になることでインフレが重なって進む。
数ヶ月前に日本のインフレ率は前年同月比3.5%と瞬間的に世界No.1だったと聞いた。
このインフレが続くとどれだけの蓄えがあれば将来安泰なのかがわからない。
年金はそもそもの額が乏しい上、毎月同額が支給される仕組みなのだから、もはや全く太刀打ちできるものではない。
更に良くないことは、自分の手のひらの生命線がまたかなり長いことだ。汗笑。
まあ、私がどんなに不安になろうとなるまいと、経済は関係なく動いていくものだから、不安な話はこれ以上は止めにして、理想の生活を妄想することに逃げてみようと思った。
ワガママな理想の生活を考えてみる。
ある経営コンサルタントの人は、生活が充実している人の1日の時間配分は、
仕事 9時間
余暇 7時間
睡眠 8時間
というバランスだと紹介していた。
でも、これでは余暇にいろいろなものが入ってしまうことになって、何とも雑で、まさに何時間働くのか?ということにしか目がいかない経営コンサルタントらしいものだなぁ。
そんな風に私には感じられた。
では、ChatGTPはどう言っているのか?
睡眠 7〜8時間
仕事(本業) 8時間
家事・生活 1.5〜2時間
移動・準備 1時間
趣味・余暇 1〜2時間
運動・健康管理 0.5〜1時間
学習・自己投資 0.5〜1時間
さすが、必要な項目を細かく見ていて、その結果、経営コンサルタントよりも仕事が1時間減る結果となった。
だが、だが・・・・それでも、私はこれにも全く納得がいかない。
どんな時間配分をするべきなのか?
もちろん個人差があるし、個性があっていい。
正解などないわけで・・・。
それで、私なりのワガママな理想をおいて見ることにした。
ChatGTPに物申したいのは、まずは仕事に休憩時間が入っていない。
労働基準法によると6時間労働につき45分の休憩が必要である。
あと脳科学的にいうと集中力は30分しか持たないから30分毎に5分の休憩を取りたい。
私は、連続すると肩凝りがひどくなるから、そこからも休憩は小まめに取りたい。
そして、休憩時間はそこで趣味のスマホゲームをするとか、学習時間に充てるとか、兼用にするものではなくて文字通り休憩したい。
さらに、家事・生活の中に食事時間が含まれるんだろうが、消化の観点からも一食30分は欲しい。
そうするとそれだけで、三食で1.5時間となり、家事生活は1.5〜2時間ではとても足りない。
移動・準備も交通の乱れなどから余裕を持つと、通勤片道45分は欲しい。
とするとこれも往復1時間ではとても足りない。
学習・自己投資 1時間程度では、付け焼き刃のことしかできない。
もっと欲しい。
などなどを盛り込んでいくと・・・
睡眠 8時間
食事 1.5時間
お風呂 0.5時間
家事・生活 2時間
移動・準備 2時間
運動・健康管理 1時間
学習・自己投資 2時間
仕事休憩 1時間
小計 18時間
残 6時間
これを仕事と趣味・余暇に割り振る。
仕事(本業) 4時間
趣味・余暇 2時間
という私の理想が出来上がった。
これは原則となっている1日8時間労働とした時に、週3.5日労働(4時間/日☓週7日÷8時間)、つまり週休3.5日ということになる。
週休3日という会社が今どのくらいあるのだろうか?
何とも怠惰かつ贅沢な生活とは言われるかもしれないが、人が、普通にやりたいと思うようなことを詰め込むとこういう時間割にしかならない。
ということは、裏を返せばみんな何かを、犠牲にして生きているということになるわけだ。
嫌な言い方になるが、犠牲にしていないと言う人がいるのならば、その人は自分を何らかの形で騙している、ということなのだと思う。
ーーーーーーーー
以前にも取り上げた言葉、
「タイパが悪い」
この言葉には、
お金にならないことに時間をかけてしまうのはバカのすることだ!
というニュアンスがあるように私には感じられていた。
その感覚はどうやら、ほとんどの人が時間に追われて生きているように見えることからきている。
そしてまた、時間に追われているのはなぜかというと引いてはお金に追われているからだ、そう感じるのだ。
無駄な時間は早く切り上げて、次のやるべきことへ、その次のやるべきことへ・・・。
時間を稼げる時間に充てないと幸せには生きられない!
特に日本人は、稼ぐ時間を増やすために、睡眠時間にまで手を出すということをしているように見える。
※長時間労働のストレスを発散させるために、睡眠時間を削って趣味の時間に充てている、と言う方がシックリくる人も多いのかもしれないが。
あらためて理想の時間割を組んで見ると、生きるためにやることが多すぎて、みんな何かを犠牲にして生活していて、そして、時間に追われているということが数字によってよりハッキリした。
このような現実の前提があるから、「タイパが悪い」という言葉が、多くの人に受け入れられるのだろう。
理想の生活を追いかける
さて、今回、子供のようにワガママに理想の生活の時間割を考えてみたのだが、そこから見ると現実では如何に仕事の時間が多いんだろうか!?
それを言うことは何かへの冒涜のような感じもするのだが、残念ながら私にはそこが浮き彫りになってしまう。
そして、経済的なことを追いかけるだけで終わってしまうような人生、そんなバカバカしいことがあっていいのだろうか?
特にグウタラな私は純粋にそう思う。
憲法にある「勤労の義務」から始まって、仕事にやりがいを見つける、仕事をすることで人間的に成長する、などの仕事に対する価値観を創ることによって、この労働時間の驚異的な長さを隠そうとしているのではないか?そう疑ってしまう。汗。
永遠にハードな勤労が強いられるようならば、それは奴隷制度と変わらないではないか?
大げさのようだが半分真面目に言っている。笑。
そんなことを考えていくと、昔エンゲル係数(エンゲル係数が低いと生活が豊かである)が生活の豊かさの指標になったように、今、新たな豊かさの指標として、非経済時間比率というものが指標になってもいいのではないか、そんなことを思う。
非経済時間比率を、わかりやすく、睡眠や食事など健康のために必要な最低限の時間を1 日12時間とした時に、それ以外の12時間のうち、稼ぐための以外の時間比率のこととしてみる。
先ほどの私の理想生活で計算すると、仕事が1日4時間だから、(12−4)/12で、非経済時間比率が66.6%となる。
非経済時間比率を増やすということは、つまり、「タイパが悪い」時間を増やすということ。
これもまた何とも逆説的なことだ。
豊かになるというのは、家を持ったり、自動車を持ったり、ブランド品を持ったり、最近では、AIを使えるようになる、といった手段にあるのではなくてたぶん、非経済時間比率が増える、という結果にあるのだと感じる。
目指す目的を間違ってはならない。
この非経済時間比率を増やすという目標は、現実離れしたものに見えるが、そこを目指さなくてどうする!?と何かに抗うような思いが湧いてくる。
敢えて理想を置くことで現実との乖離が可視化されて、少しでもそれに近づこうとしやすくなるはずなのだ!
ーーーーーーーー
今回は、生活する上で労働時間の短縮は現実ではないし、インフレの恐怖から゙抜け出せない自分を棚に上げたまま、理想を妄想するという所業だった。
この力技で何とかしようとあがく私。
道は遠そうだが、今回妄想をしたことが将来の生活に対して、何らかの役に立つと信じたいのだ。
追記
冒頭、娘さんに髪を切ってもらった女性に、私がある人から聞いた「お金で買えない幸せを早く知った方がいい」という話をした時、その女性は、
「お金で買えない幸せってなんだろう?ねえねえ、一体何?」
と興味津々の様子だった。
これまでそんなことを考えたことがなかったんだろう。
私は、その女性に返す言葉が全く浮かばず、その場では何も返せなかったのだが、後から娘さんに髪を切ってもらったこと、そして、髪を切ってもらっている時間が、まさにお金で買えない幸せなのではないか?
そう振り返って、その時にそれを伝えられなかったことを後悔したのだった。
これに限らず、お金を稼ぐ時間以外の何気ないところに幸せがある。
お金のことが頭から離れると、そこここに縁を感じられて感謝するものが見える。
そういったものを感じることを忘れずに、感じる時間をしっかりとって味わう。
そんな意識で時間配分を少しずつ変えていってみることにしよう!
この女性からこのことを気づかされた。
UnsplashのEtienne Girardetが撮影した写真
【著者プロフィール】
RYO SASAKI
工学部を卒業後、広告関連企業(2社)に29年在籍。 法人顧客を対象にした事業にて、新規事業の立ち上げから事業の撤退を多数経験する。
現在は自営業の他、NPO法人の運営サポートなどを行っている。
コメントを残す