田中 新吾

私の琴線に触れた「俺はお前の居場所になんてものになれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやれるよ」という考え方。

タナカ シンゴ

先日コミュニティを運営していく上で極めて重要だと思える「考え方」に出会いました。

本記事はその考え方について思うところを書いたものです。

書きたいことを最初にまとめてしまうと以下のようなものになります。

・今絶賛放送中の土曜ドラマ「最高の教師」は強くオススメしたいドラマ

・「最高の教師」第4話の視聴中に琴線に触れる考え方に出会った

・その考え方は、俳優の窪塚洋介さんの息子・窪塚愛流さん演じる楢原という高校生のもので「俺はお前の居場所になんてものになれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやれるよ」というもの

・ある人が自分の居場所を実感するために最も重要な要素は「相手の居るところまで行って、相手の存在を認めてあげられる人の存在」

・「相手の居場所に行くことができる」タイプの人が多いコミュニティは、自然と、コミュニティへの参加者にとって「居場所感の高いコミュニティ」になっていく

これ以降はそれぞれの補足として書いていきますので、もし宜しければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

今絶賛放送中の土曜ドラマ「最高の教師」は強くオススメしたいドラマ

私の琴線に触れる「考え方」に出会ったのは、今絶賛放送中の土曜ドラマ「最高の教師」の視聴中であったため、本ドラマについて先に少しだけ触れさせてください。

※以下、若干ネタバレを含みます。

正式名称は『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』。

最高の教師 1年後、私は生徒に□された」ビジュアル - 「最高の生徒」第3話ゲストに木村慧人、「最高の教師」3年D組の莉子も登場 [画像ギャラリー  6/6] - 映画ナタリー

出典:ナタリー

主演は松岡茉優さんが演じる高校教師・九条里奈。

生徒役として、芦田愛菜さん、加藤清史郎さん(子ども店長)など、子役時代に一時代を築いた面々が脇を固めているという今までのテレビドラマでは見たことのない布陣です。

本ドラマを見始めたのは、妻から松岡茉優さんと芦田愛菜さんが出ていると聞いたから。

お二人とも私の好きな女優でして、特に芦田愛菜さんはかなり尊敬しています。

参照:「子供の頃から沢山読書をしている人」の人間としてのスケールは、大きく違うという話。

最高の教師なんですが「いじめ」や「毒親」など毎話のテーマが結構胸に刺さるのと、卒業式の日に自分が受け持つクラス(3年D組)の生徒の誰かによって殺された九条里奈が、1年前にタイムリープし、最悪の結末を避けるために生徒達と本気で向き合っていくという設定が、ドラマの考察性を高めていて「サスペンスドラマ好き」の私はすっかりハマってしまいました。

今、リアタイで観ているのはこれと、仮面ライダーとスーパー戦隊くらいです。

後になって知りましたが、菅田将暉さんが主演で教師役をされていた土曜ドラマ「3年A組」とプロデューサー、監督が同じ、というのも私の視聴動機を強めています。

この記事を書いている時点では放送が終了したのは第6話(7話から第二章)までで、この先の展開について様々な考察が飛び交っている状況。

今シーズンは日曜ドラマ「VIVANT」も評判が良いですが、最高の教師、今のところ控えめに言って最高なので「まだ観ていない」という方には強くオススメしたいドラマです。

「俺はお前の居場所になんてものになれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやれるよ」

そんな「最高の教師」の第4話を視聴している時、本当に偶然にも私の琴線に触れる「考え方」に出会いました。

結論から言ってしまいます。

俳優の窪塚洋介さんの息子・窪塚愛流さんが演じる「3年D組」の生徒・栖原が、AKB48の本田仁美さん演じる居場所を求めるクラスメートの江波に対して言った、

俺はお前の居場所になんてものになれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやれるよ

というものです。

X(旧ツイッター)でも一時話題になっていましたが、この考え方が私の琴線に見事に触れました。

心からこれは素晴らしい考え方だなと。

それで、栖原(窪塚愛流さん)のこの考え方がどんな流れで飛び出したのかについて、軽く触れておきたいと思います。

栖原は、よく考えることが嫌いで「世界はとてもイージー」なモノだと思っているバンドマン。

人付き合いが得意で学校外でもさまざまな人間とつながっている中で、クラスメートである江波に対してひそかに思いを寄せていました。

一方の江波は、常に友達と行動するさみしがり屋で、学校のクラスや家で「居場所」を失うことを必要以上におびえているという栖原とは対照的な存在。

そんな江南はある時、幼馴染の浜岡(青木柚さん)から告白をされます。

しかし、後になって浜岡が江南の性格を利用して騙そうとしていたことを知り、また居場所を無くしてしまったことに大きな精神的ダメージを受けます。

そんな状態の江南を、栖原は公園に呼び出して言いました。

「傷ついた江波になんて声かけるべきか考えてた。考えることが嫌いな俺が。考えて、考えて、考えまくって、んで、ひとつだけ答えが出た」

「ねーよ!居場所なんて」

「生きて立ってるだけで十分じゃん。てか、立ってるだけの自分を誇れよ。だってその場所に誰かが来るかもしんねえし。誰かと同じであることを必要以上に求めなくていい」

「江波が立ってるその場所こそが居場所なんだって思えばいい。」

俺はお前の居場所になんてものにはなれないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやるよ。

全てではないのですが以上のような二人のコミュニケーションの中で、私の琴線に触れる考え方が飛び出てきたのです。

それにしても窪塚息子が窪塚すぎて、本当に最高の回でした。

「相手の居場所に行くことができる」タイプの人が多いコミュニティは、自然と、コミュニティへの参加者にとって「居場所感の高いコミュニティ」になっていく

話は少し変わりますが、最近私は新しくあるテーマについて学ぶ「勉強会コミュニティ」に参加しました。

誰一人知り合いのいないオンラインコミュニティであるため、勉強したい内容ではあるものの、コミュニティ内における居心地には正直言って大きな不安がありました。

勢いで申し込んでみたものの、ここで勉強に打ち込むことができるのだろうか?という具合にです。

しかし、現状はその不安が随分と軽くなっています。

一体なぜなのか?

これはおそらく「私の居るところまで来てくれて、私の存在を認めてくれる人」の存在があるからだと思います。

私が居るところまで来てくれて、存在を認めてくれる人は今のところ一人ではあるのですが、その一人の存在が私にとっては非常に大きく、その人のおかげでそのコミュニティに「居場所感」が湧いてきているのです。

そして、この経験は前出のドラマ「最高の教師」の楢原の考え方と見事にリンクしました。

ある人が、その空間の中に「自分の居場所」を実感するために最も重要な要素とは一体なんなのでしょうか?

人によってこの答えは様々あると思いますが、今の私が思う最も重要な要素は「相手の居るところまで行って、相手の存在を認めてあげられる人の存在」です。

例えるなら、砂遊びをしている人を見つけたら、その人が居るところまで行って、声をかけたり、砂遊びに一緒に参加する、みたいなこと。

そして、こういう「相手の居場所に行くことができる」タイプの人が多いコミュニティは、自然と、コミュニティへの参加者にとって「居場所感の高いコミュニティ」になっていくのだと思うんです。

「参加者にとっての居場所感を高めるためにはどうしたらいいのだろうか?」

私自身、コミュニティマネージャーをやっているもので、このような問いを何度も何度も頭の中で巡らせてきているのですが、ここでようやく羅針盤となり得る考え方に出会うことができました。

ドラマの中のセリフではあるのですが、本当に素晴らしい考え方だと思ったので最後にもう一度記しておきます。

俺はお前の居場所になんてものになれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって行ってやれるよ

今回の記事が何かを考えるための参考になれば幸いです。

UnsplashLucas Ludwigが撮影した写真

【著者プロフィールと一言】

著者:田中 新吾

プロジェクトデザイナー|プロジェクト推進支援のハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)|タスクシュート(タスク管理術)の認定トレーナー|WebメディアRANGERの管理人(https://ranger.blog)|「お客様のプロジェクトを推進する歯車になる。」が人生のミッション|座右の銘は積極的歯車

最高の教師での芦田さんの演技が毎回凄すぎて震えてます。

●X(旧Twitter)田中新吾

●note 田中新吾

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