田中 新吾

ブランドコンセプトが明確なので意思決定が絶対にブレない。

タナカ シンゴ

今朝、SNSで話題の「イケウチなひと」でこんな記事を読みました。

豊かさを感じられる空間は、触れるものひとつひとつの「質」からつくられていく
– 銭湯「小杉湯」平松祐介・塩谷歩波 –

今日はこの記事を読んで考えたことを少し書いてみたいと思います。

小杉湯は、ブランド・コンセプトが明確なので意思決定が絶対にブレない

ホントに素晴らしい記事だったので、一気に読み終えてしまいました。

個人的に特に響いたのはこの部分です。

バスタオルひとつ取っても、洗濯に時間がかかるから、家族やスタッフからも「200円で貸してくれ」とは何度も言われているのですけど(笑)。

でも200円で貸してしまったら、それはもう、暮らしをつくるではなくなってしまうので

やっぱり、「銭湯のある暮らしをつくる」をいつも意識しているから、より豊かさを感じられる選択をしていきたい。

小杉湯のブランド・コンセプトはとても明確で「銭湯のある暮らしをつくる」です。

この記事を読んでいて感じましたが、意思決定のすべてがこのコンセプトに基づいています。

経済合理性を考えれば、当然レンタル価格を200円に切り替えると思うんですけど、決して動かぬこのコンセプトがあるので、小杉湯は40円でのレンタルを貫いています。

コンセプトが超明確なので、意思決定が全然ブレていないんですよね。

こういうブランドは、ますますブランド力がついてくると僕は思います。

イケウチなひとを展開するイケウチオーガニックもまさに同類だと思っていて、明確なコンセプトをお持ちなので、意思決定が全然ブレていません。

参照:お客さんの大満足は「顔が見える関係づくり」から。

フィロソフィー・パーソナリティーが抜け落ちている

僕はブランドのプランニングなどの仕事を手がけることがあるのですが、

とりあえず「ブランド」という言葉を使っているだけなのでは?みたいな胡散臭さを相対するひとから感じてしまうことが度々あります。

そして、そういう人にかぎってブランドネームやロゴを作ることに引っ張られがちですし、まず「ストーリーが大事!」とか言い出します。

でも、今までいくつかのプランニングに関わらせてもらった経験のあるぼくから言わせてもらうと、それではまったくブランドにはなり得ないんですよね。

重要なのは、小杉湯さんにおける「銭湯のある暮らしをつくる」のような、絶対にブレないコンセプトを作ることです。

ここで勘違いしないで欲しいのは、コンセプトを作るというのは、いい感じのキャッチコピーを作ることではありませんので。

そのブランドのターゲットをしっかりと決めて、そのターゲットにどんな価値を提供するかを言語化したものこそがブランド・コンセプトです。

そして、このコンセプトをつくる際にもっとも重要なことは「フィロソフィーとパーソナリティー」なのですが、ブランドになり得ていないと感じるブランドの多くはこの部分が抜け落ちているように思います。

見ていて思うのは、このフィロソフィーとパーソナリティーが抜け落ちているから意思決定がブレちゃうんですよね。その結果、ブランドになることができない。

逆に言えば、この二つがちゃんとあれば、意思決定がブレることなんてないと僕は思っています。

特に大手と比べて、広告宣伝費や研究開発費が少ない「小さなブランド」であればあるほどこの考え方が不可欠だと思います。

さいごに

以前から小杉湯には行ってみたいと思っていたのですが、イケウチなひとの記事を読んでこの気持ちが一層高まりました。なので、今年こそは行ってみたいと思います!

それで、行く前にやっぱり銭湯図解は読んでおかなきゃですよね。塩谷歩波さん、まじで愛とセンスの塊です。。。

それでは今日はこの辺で!

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとって、何かしらの参考になったら幸いです。

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