田中 新吾

同じ釜の飯を食うの効果はやっぱりでかい。

タナカ シンゴ

こないだお客さんと飲んでいた時に、古いかもしれないけれど「同じ釜の飯を食う」の効果はやっぱりでかいなと思ったので今日はこのことについて少し書きます。

同じ釜の飯を食うは古い考えではない?

「同じ釜の飯を食う」というのは同じ共同体が、同じ空間で、同じものを食べることによる絆の強さをあらわしています。

現在は会社でも企業でも、社員全員が同じ空間で、同じものを食べるというのは結構珍しいですよね。全員が時間を合わせて同じ場所で食事をとらなくてはいけないというのは、とても面倒なことだし、それぞれの都合もあるので「同じ釜の飯を食う」は古い考えとして捉えられることの方が多いように思います。それに現代は個人のプライバシーをとても重視する時代なので強制することもなかなか。

ところが、「同じ釜の飯を食う」というのはむしろ現代社会に適した方法であり、社員の成長、会社の向上をアップさせる合理的な手段ではないのかというように見直すような意見がジワジワと増えてきている気がするんです。

まず、同じ空間で同じもの食べるというのは嫌でも仲間意識が深まります。連帯感も生まれますし、義務化してしまえば他の社員との食事というのが生活の一部として取り込まれていくんですね。

それに、精神論的なアプローチだけではなく科学的根拠も実はあるみたいです。

同じ釜の飯を食べると脳内ホルモンのオキシトシンが分泌されるらしく、このホルモンは他者に対する不安や猜疑心を抑制し、信頼感を深めてくれる役割があるんだそう。

こういうことから現在「同じ釜の飯を食う」というのを経営の方針として取り入れて、ケータリングなどを呼んで食事の時間を設けている会社や企業もあるみたいですね。

例えば、諏訪にあるリビルディングセンタージャパンのスタッフへの理念浸透のさせ方なんかはまさに「同じ釜の飯を食う」を取り入れているように思います。

「リビセンの理念を外部にもっと浸透させるためには、社内の目線合わせが重要だと思っているんです。なので、毎日夜はスタッフと一緒にご飯を食べ、コミュニケーションをとるようにしています。

あとは、月に1回スタッフと、1人あたり2時間程度面談する機会を設けていますね。どんな課題を感じているのか、将来どんな生活を望んでいるのかといった話を聞いたり、時には『あのとき、なぜこういう意思決定をしたのか』と質問することもあります。

話を聞いても納得できないときには、『”リビセン的”にはその判断は良くないと思う。なぜなら……』と言うこともあるんです。」

参考記事:【商いのコト】社会的意義とビジネスは相反しない。長野から全国へ“古材の循環“を広げる

「同じ釜の飯を食う」と聞くと、なんだか古い時代を想起しがちですが実はそうでもないというのが実態だと思うんです。

21地域×30分野のしごとから学ぶ地方創生入門

少し話が逸れる感じになりますが、僕が現在手がけている仕事の中に「地球のしごと大學」というサービスの企画運営があります(僕はここの副代表をつとめてます)。

シンプルに言うと「地方創生のためのヒントや手がかりが学べる」もの。

日本全国をフィールドにし、今年は21地域×30分野のしごとを学ぶことができるカリキュラムで運営をしました。年齢も出身も仕事もバラバラの30名が集い、約40日間を共にし学び合ってもらうという内容。

ビジネススクール出身者、公認会計士、経営コンサルタント、ITベンチャー、商社、公務員、自営業者、不動産、某メディア編集長、といったように毎年集う人は本当に多岐に渡ります。有料ですが、結構人気で毎年ちゃんと人が集まります。

先日、今年度の卒業式が終わりまして、現在来年度を年明けリリースに向けて絶賛仕込み中という状況。内容のバージョンアップと並行して、ホームページもリニュアル中です。

同じ釜の飯を食うの効果はやっぱりでかい

こないだ、この卒業生の二人(夫婦)と飲む機会がありまして、その時に「これまじでスゴイっすね」という声をもらったんです。

その二人曰く、もう以前の価値観には戻れないということ。

共に学んだメンバーを今後の人生でずっと大切にしたいということ。

そして、行動を起こしていこう思うということ。

運営サイドとしてはこれほど(狙い通りで)嬉しいことはありません。

でも、ふと落ち着いて考えてみた時に、年間40日近く多様な人たちと同じ空間を共にしていれば何か変わってしまうのは不可避なことだと思うし、そこに太い絆が生まれるのも必然だなと思いました。

これはまさに同じ釜の飯を食うの効果であって、古い手法かもしれないけれどやっぱり効果はでかいということだと思うんです。

さいごに

この大學に関しては、来年からまた新たな学部がいくつかリリースされる予定です。

地域商社を仕事にしたい方向けの学部だったり、伝統的な薬草療法を学ぶことのできる学部だったり、まだまだ開発していきたいサービスはあるのですが全然手が回らないのも実情。

つまり、ひとつづつじっくり良いものになるよう作り込んでいくしかありませんね。

それでは今日はこの辺で!

ここまで読んでくださありありがとうございました!この記事が何かしらの参考になれば幸いです。

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