お金のかからない欲望で自分を満たす省エネ術を探る。
あるドラマで、リポーターがフォアグラステーキを食べてコメントする、というシーンがあった。
リポーターという仕事は、どんな感想を持つにしても「美味しい」と言わないとならないわけなのだが・・・。
「こんなのは生きていくのに必要ない!」
そのリポーターは思わず、本音を吐いてしまってそのシーンは当然NGになってしまった。
ドラマを観ていると、時々妙に引っ掛かる言葉がある。
この言葉もそのひとつだった。
なぜ引っ掛かったのだろうか?
このフォアグラをキッパリ切り捨てる言葉が、逆に私がフォアグラというものを曖昧にしてきたことを浮き上がらせてくれたのだった。
これキッカケで思い出したのは、昔、私が将棋、あるいはテニスなどを趣味にしている人を羨ましいと思っていたことだった。
当時私はゴルフにのめり込んでいた。
ゴルフというものはご存じのとおり、プレイフィー、道具代、練習代、交通費、自動車購入などお金がかかる贅沢な遊びだ。
何でこんな贅沢なものにのめり込んでしまったのだろうか?とやや自嘲ぎみだった。
だから、将棋やテニスが光って見えたのだ。
将棋やテニスが趣味だったら、どれだけのお金が浮いているのだろうか?
将棋やテニスだって道具にこだわればお金はかかるのだろうけれど、やはりゴルフには及ぶまい・・・。
こうした経緯から、今回は、『省エネ』について考えてみたい。
なぜお金の話がエネルギーの話になるのかというと、お金もまたエネルギーのひとつの形だと言われるモノだからだ。
省エネと景気、省エネと欲望
多くのモノはその製造(提供)原価が高くなると価格が高くなる。
だから、一般的に高額なものはたくさんのエネルギーを費やして、よって高い買い物はたくさんのエネルギーを消費していることになる。
とすると、単純に言うとお金を節約すること=省エネであるということにもなるのだろう。
ところで、資本主義の枠組みでは、お金(エネルギー)がよく使われると景気が良くて、使われないと景気が悪いと言われる。
だから、省エネと景気は相反するものということになる。
現代の枠組みにおいて、この相反するものにどう折り合いがつくものなのだろうか?
そんな疑問が浮かんでくる。
私の頭では解決策が全くわからない。汗。
またこんな疑問も浮かぶ。
景気と同様に、あれが欲しい、これが欲しいと、それぞれの欲望を満たすことが、人間が生きる目的であるとするとこれまた、省エネと人の欲望も相反するものであって、どう折り合いをつけるものなのだろうか?
お釈迦様のようにみんなが欲を捨てるための修行に入る必要があるということになるのだろうか?
省エネを考えるならば、1人のお金の月額の利用制限(エネルギー利用制限)を設けることにまで行ってしまうのではないか?
これは非常に単純な施策だし、具体的にどうするか?までに全く至らないのだが、そんなところがチラついたりしてしまう。
現に1人当たりエネルギー消費量(額)は、先進国において非常に高い。
そうか!お小遣い制の世のお父様方が、省エネの先導者と言えるのかもしれない・・・。
お金のかかる欲望とかからない欲望
私は、どちらかというとケチに、否、倹約家に育った。
いくつか上げてみると、
マヨネーズも最後にハサミで切って最後の最後まで食べ尽くす。
シャンプーの最後は水で薄めて泡立たせて使いきる。
未だにこれを続けている。
どうだろうか?
この素晴らしい資質は!汗。恥。笑。
このような私の資質は、偶然にも省エネを考える上で、適したものではないだろうか?
更に私は元来めんどくさがり屋ときているから、なおさら省エネにピッタリではないかと思えてくるのだ。笑。
(めんどくさがり屋だが、マヨネーズにハサミを入れる手間はかける不思議。)
倹約家は省エネ家だ。
この適任の?私が考えてみる。
人生において人の欲望を満たすことを止めずして、エネルギーを使わないようにするにはどうしたらいいのか?
単純だが、お金のかかる欲望で満たすことから、お金のかからない欲望で満たすことに可能な範囲でシフトすればいいのではないだろうか?
これは私ができなかったように、無理に趣味ゴルフを趣味将棋、趣味テニスに変えることになってはならない。
心の底から楽しいという趣味にならないとならないのだが・・・。
欲望は人それぞれだから、みんなに当てはまることを言うのは難しいのだが、ひとつ言えるのは、嘘の欲望を紛れこませないことではないだろうか?
自分のホントの欲望を見つけること、その欲望の中で、更にお金のかからない欲望を選択することだ。
みんながやってるモノ、流行りのモノ、ブランドモノ、希少なモノ
ホントの欲望とはまた難しいものである。
それでもそこに向けて進めていきたい。
ホントの逆からアプローチして、除外できる嘘の欲望にどんなものがあるのだろうか?
みんながやっているから、自分も同じようにしたいという欲望がある。
これに、何となく流されて引きずられて選んでしまう。
あるいは強制されるように選んでしまう。
これはホントかどうか、吟味した方がいい欲望ではないだろうか?
流行りのモノもこれとよく似ている。
ホントにずっと欲しいモノならば、流行りで終わらないだろうし・・・。
長く流行っているものでもその人が満足しないものもあるだろう。
例えば、土用の牛の日、バレンタインデイも吟味した方がよいのではないだろうか?笑。
次にブランドモノ。
ブランドモノが高額なのは、本来手間暇(エネルギー)がかかって質が高いからだ。
長持ちするモノだから、エネルギー効率はいいかもしれないが、ブランドだから持つという単純な欲望は吟味してみた方がよくはないだろうか?
プレミアがついて(希少価値?)、かかったエネルギー(原価)以上の価格になっているケースも多くなっている。
また、希少なモノのだいたいは高額だ。
冒頭のフォアグラステーキもこれに当たるのだろう。
これらの、みんながやってるモノ、流行りのモノ、ブランドモノ、希少なモノは、
周りからハブられないために、持っている自慢をするために、食べた経験自慢をするための欲望だ。
いわゆる見栄のため、周りの人に対する二次的な欲望なのだ。
この欲望を完全否定はできないのだが、一度よく考えてみるのがいいだろう。
そんな風にして人に見せるために欲望を満たすことで本当に満足するのだろうかと・・・。
そう、私は吟味してみてわかった。
私はフォアグラがあまり好きじゃない。
私の人生に必要ない。
フォアグラが、世界三大珍味と名高いために、教養があるように見せようとして、味オンチだと言われないように、あるいはこれらを産出した世界の偉大な生産地に忖度して、
否定できず曖昧にしていたことに気がついたのだ。
「フォアグラは人生に必要がない」と言ってもらって実にスッキリした。
ちなみに、最近いろいろな人が美味しいと評判のポテトチップスートリュフ味も、食べてみたがあまり好きじゃなかった。
こちらも私の人生に必要なかった。
人生に必要のないものはたくさんあるのではないだろうか?
こうして人生に必要がないモノが増えると省エネが進む。
ちなみに、必要のないものが増えると、スーパーの購入するコーナーが少なくなって、こちらもかなり省エネになる。
これらの希少で高額なモノを好きじゃないことで、節約できてホントに良かった。笑。
最近みた動画にまたこんな引っ掛かる言葉があった。
ある芸人さんが親しい芸人さんについて語っている動画だ。
「あの人がやっていることは、これが流行っているから、これをしたらバズるから、といった上っ面なものだ。本当にしたいことは何なんだろうか?したいことがないんじゃないか?」
芸人さんは見せる商売だから、また見栄が必要なのかもしれない。
また、自分があまりなくて、人が喜ぶことが欲望だという人も結構いると聞く。
誰にとっても自分のホントの欲望を捉えることは難しいものなのかもしれない。
また、欲望は変わっていくものでもあるだろう。
変わるためにはいろいろな欲望を一旦満たし終わって、もういいわ、ってなることが必要なのかもしれない。
難しいモノだからこそ、何とかホントの欲望を追いかけていきたいのだ。
感謝は省エネ!
前回記事で書いた感謝100回トレーニング。
感謝すると、気分がよくなり健康的になる。
更に脳が活性化していいこと尽くめだ。
この『感謝』は無償でできるものだから、これを習慣にできたならば、これもまた安上りで省エネになるはずだ。
『感謝』のように自分の思考法によって、欲望を満たすことが省エネだ。
例えば、マインドフルネスをやってみる。
マインドフルネスならば他から何かを与えられるのではなくて自家発電でできる。
あるいは、自然に浸る。
無償で与えられているもの(メンテの手は入っているが)で欲望を満たす。
これらによって倹約になり省エネにつながるだろう。
満たす欲望を最大限にしつつ、その中でお金のかかる(エネルギーを消費する)欲望は最小限にする。
これからもお金のかかることはほどほどにしながら、お金のかからない自分のホントの欲望を貪欲に追求してみようと思う。
これが省エネに貢献することであり、自分のお金が不足する恐怖を軽減することにもなるのだ。
繰り返しになるが、そもそも、欲望は人それぞれだから、とやかく言えるものではない。
そして、また、地球にどの程度の省エネが必要なのか?定かではない。
それでも、もしこのようにして、みんなが少しずつでも満たす欲望の種類を変化させていけば、地球全体の省エネはもっと進むんではないだろうか?
今回は、こう言い放って終わりにする。
これは、節約によって景気が悪化することに対して、無責任な物言いだし、倹約家で面倒くさがりの言うことは、説得力に欠けるだろうけれど・・・。
【著者プロフィール】
RYO SASAKI
人生に必要な叡智をまだまだ学んで、一方では人生に必要のないモノを見つけてはシンプルにしていきたいと思いました。
工学部を卒業後、広告関連企業(2社)に29年在籍。 法人顧客を対象にした事業にて、新規事業の立ち上げから事業の撤退を多数経験する。
現在は自営業の他、NPO法人の運営サポートなどを行っている。
ブログ「日々是湧日」
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