田中 新吾

変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけ。

タナカ シンゴ

先日、こんなツイートをしました。

今回はこれについて少し補足をしておこうと思います。

経営者ドラッカーの有名な言葉

変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけ。

これは経営学者のドラッカーの有名な言葉です。

変化というのは誰かがコントロールすることはできず、無理やり捻じ曲げたり思い通りに動かすことはできないということ。でも、その流れを読み、変化の流れを作り出すことはできます。それが「変化の先頭に立つ」ということ。

「世の中を変えるんだ」と思う時ほど、先頭に立って流れを作り出すしかない。

こうした考えが僕の中にインストールされたのは何を隠そうドラッカーのこの言葉のおかげです。何かを変えたいと思うならば、変化の先頭に立つために努力をするし、もしも立てたとするならばその先頭に居続けることができるように全力で努力するだけ。

徳島県美波町で変化の先頭に立つひと

この間の連休に仕事で高知・徳島に行ってきました。最終日は徳島の美波町(人口7,000弱)というところにいき、「あわえ」という地域課題解決をビジネスにするベンチャー企業の吉田社長に話を聞いてきたんです。

吉田さんは元々経営していたIT企業を美波町に本社移転をしたことがキッカケで、美波町のまちづくりに携わるようになり、その中であわえという会社を作られました。

現在はこの他に「odori」という阿波尾鶏専門の地産地消レストランの経営も兼ねるなど、マルチワーク、複業の実践をされています。

現在美波町には東京や大阪から企業・起業家が続々と集まっています。その数は県内最多で18社だそう。サテライトオフィス=神山町といったイメージを持っているひとも多いと思いますが、実は美波町の方が進出数が多いんです。この動きは社会動態人口増にも好影響を及ぼしており、転入はプラスになっているのだとか。

また、サテライトオフィスには出張でくるひとも多いため、出張の際に家族まるごと美波町にきてもらえたらいいのではないか?ということで、町に働きかけて設計した仕組み、デュアルスクールも吉田さんが仕立てたものです。

デュアルスクールとは

地方と都市の双方(デュアル)の立場から見た多面的な考え方のできる人材を育成するために、地方と都市の二つの学校の行き来を容易にし、双方で教育を展開する徳島県独自の「新しい学校のかたち」です。都市部の学校と徳島の学校を行き来して、どちらの良さも体験できます。

  • 「区域外就学願」の届出により、徳島と都市部の2つの市区町村教育委員会が協議し承認されれば、住民票を異動せずに転校することが可能です。
  • 徳島と都市部の二つの学校が一つの学校のように教育活動を展開し、両校間を1年間に複数回、行き来できます。
  • 期間や回数は個人の希望に合わせて調整できます。
  • 徳島県の小中学校には、学習進度の違いを調整するための教員を配置し、児童生徒の学習を支援します。

今では美波町の地域推進に欠かせない存在となり、これが実績で他の自治体からも雇用誘致や起業家育成などのサポートの依頼が入るようで、全国各地へその名を拡げています。

吉田さんのお話の中に「変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけ。」というドラッカーの言葉が出てきました。この言葉を信念として動いていると。

まさか、四国の右下でこの言葉を聞くとは思ってもいなかったので、聞いた時にはすごくハッとしました。こんなド田舎でも通用する考え方を残したドラッカーは凄いと思ったし、それを見事に実践している吉田さんはもっと凄いなと思った。いい刺激をもらってきました。

今現在「波乗りオフィスへようこそ」という映画を作るためにクラウドファンディングを行なっているようですので支援者になっていただける方は是非!ということでした。一応リンク貼ってくのでよければ覗いてみてください。

「鉄道の旅」でお馴染みの関口知宏主演、地方創生の今を切り取る「波乗りオフィスへようこそ」の配給宣伝支援プロジェクト!

また「本社は田舎に限る」という非常にキャッチーなタイトルの本も書かれているのでよければ読んでみてください。吉田さんの思考や活動についてリアルに描かれています。

自分の変化を恐れてはいけない

では変化の先頭に立つために必要なことはなんだろうか?と考えると、やっぱり自分が変化することに尽きると思います。これがない中で先頭に立てるわけがない。

変化するのは恐いもので誰もがやれることではないと思います。でも、恐れと戦い変化することに対して貪欲に淡々と挑戦し続けた人だけが変化の先頭に立っていくのだと思います。

変化の先頭に立ちたいのなら、自分の変化を恐れてはいけない。

吉田さんの話を聞いて、変化についてよく考えることができたのは本当によかったです。

自分が「何かを変えたい」と思うのならば、やはり貪欲に先頭を狙って淡々と挑戦をし続けるしかないのだとあらためて心得ました。

さいごに

美波町には太鼓屋台が海岸繰り出す「日和佐八幡神社の秋祭り」という秋祭りがあります。僕が訪れた前の日がクライマックスだったんだとか。

動画でみてもらった方が分かりやすいと思うので下記をご覧ください。

太鼓屋台を担いだ男たちが町中を練り歩き、クライマックスは太鼓屋台ごと海に飛び込んでいくという大迫力のお祭りらしいです。一度はみてみたい…..。そして、この祭りが終わると翌年の祭りの準備をはじめるという感じに美波町は祭りを軸に動いているそうです。

この祭りには、移住者やサテライトオフィスの人たち、さらには外部からも多くの参加者がいて、内部と外部が混ざり合うことで伝統的な文化として今まで継承されてきているようです。やはりその地の文化というのは、外部介入と内部発酵でできているなとここでも思いました。

あとは祭りがキッカケで出会いが生まれ、新しい命が誕生している。サテライトオフィスによるひと・しごと誘致が目立つ地域づくりの裏には、こうした文化的背景から作られる小さなドラマがたくさんあることも忘れてはいけないなと思いました。

地域特徴が出ている伝統的な祭りがある地域は、無条件で好きになれるなと改めて自分の興味の持ち方を確認した日にもなりました。

ここまで読んでくださった方々にとって、この記事が何かしらの参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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