タナカシンゴ

良い人間関係を作るコツ。それは「想像力と愛」だった。

何事も「コツ」を掴むと上手になる。

・逆上がりは「脇をしめ、腕を曲げて、おなかを鉄棒に近づける感覚」を意識して掴むことができれば急にできるようになる

・「家の中のすべてのモノが戻る場所」を明確に決めておけば、知らない内に部屋が散らかることはなくなる

・会話は「「相手」が聞きたいことを話し「相手」が話したいことを聞く」こと意識すればスムーズに進めることができる

「逆上がり」「掃除」「会話」を例に出したが、思うに「コツ」とは

今まであまり上手くできなかったものが、その感覚を掴むと上手くできるようになるポイント」のことである。

そして、こういう「コツ」は何事にも存在している。

世の中には、そのコツを掴んでいる人とそうでない人が存在しているだけなのだろう。

だが、コツは漢字で「骨」と書くように、何事の本質、深層部にあるというか、すぐに分かるようにはできていない。

目に入るものの多くはやはり骨を覆う「皮」や「肉」ばかりでコツを掴む以前に、コツは分からない場合の方が多い。

かくいう私も「これがコツです」と自信を持って言えるものはまだまだ少なく、分からないものの方が圧倒的多数だ。

だからこそなのか、何かの「コツ」を発見した時の心の揺れ動きは凄まじい。

えらく感動してしまうのだ。

実はつい最近その凄まじい揺れを久々に感じることがあった。

何かというと、とても納得の行く「良い人間関係を作るコツ」に出会ってしまったのだ。

著名な心理学者が、年間で失業した4,000人の労働者の実態を調べたところ、

仕事ができないから失業したのは全体の1割にすぎず、残りの9割は他人と上手く関わることができないから失業した(*)、

ということが分かった。

これは裏を返せば他人と上手く関わることさえできれば、多くの人が失業しなくて済むということである。

人間関係とは、人生において「死活問題」と言って過言ではないのだ。

そういうわけで長らくの間、良い人間関係を作るコツ(骨)は私にとってつねに大きな関心事だった。

どのようなコツを掴めば、誰でも他人とうまく関わることができるのだろうか?

コツを知ってコツを掴むことができれば、人間関係をより愉しむことができるのではないだろうか?

でもそれは一体何なのだろうか?

しかし今まで「これぞコツだ!」と呼ぶに相応しいものが分かることもなく、出会うようなこともなかった。

そう思っていたところ、最近手に取った一冊の本がなんとこれらの疑問についてほぼ完全に答えてくれたのだ。

その本が、BCG(ボストン コンサルティング グループ)出身で、YouTube「考えるエンジンちゃんねる」運営者の高松智史氏が著した「変える技術、考える技術」という本である。

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この本によれば、良い人間関係を作るコツは「想像力と愛」に尽きる。

たったの2文字だが、私の今までの人生経験と照らし合わせても非常に納得のいく言語化で「これは良い人間関係を作るコツ(骨)だ」とハッキリ言える。

シンプルで覚えやすいからとてもプラクティカルだ。

思うに、このコツを掴むことができれば誰でも良い人間関係を作るのが上手くなる。

追って詳しく見ていこう。

想像力と愛」の正体とは?

本の中で高松氏は「想像力と愛」について「飲み会での一幕」を使って説明している。

今はすっかり見る影を潜めている飲み会だが、たしかに「想像力と愛」の正体を知るにはうってつけだと私は感じた。

本書の中ではゴロがいいという理由で「愛と想像力」の順番になっているが、実際には「想像力と愛」なので本稿ではこの順番を採用している。

社会人であれば多くの人が「あー君、気が利くね」という場面に出会したことがあるだろう。

接待、会社の新年会、忘年会、合コンなどで聞く言葉で、そう言われるのは自分だったかもしれないし、同期だったかもしれないし、先輩だったかもしれない。

この気が利くとされている飲み会の行動の一つに「空になったグラスにお酒を注ぐ」がある。

ここに異論のあるひとは恐らくいない。

高松氏はこのシーンから「想像力と愛」の正体を説いている。

まず「あー君、気が利くね」を因数分解すると、

【あ、あの人のグラス空きそう】×【じゃー注ごう】

となる。

次に、この因数分解に「想像力と愛」を当てはめると、

【あ、あの人のグラス空きそう = 想像力!】×【じゃー注ごう =愛!】

になるのだという。

そしてさらに、この分解したものから考えると、飲み会における「ポンコツな人」は2種類存在することが分かってくる。

一つは前者の【あ、あの人のグラス空きそう = 想像力!】に気づかないパターン。

【グラスが空きそうなことに気づかない】×【だから当然、注げない】

したがって、「 想像力が足りない!」となる。

もう一つは、後者の【じゃー注ごう =愛!】がない人のパターン。

【グラスが空きそうなことに気づく】×【だけど、注がない】

したがって「愛が足りない!」となる。

これが「想像力と愛」の正体だ。

そして、「想像力と愛」を意識して働かせることができるようになれば、電話も、即レスも、日程調整も、メールも、会食も、あらゆる人間関係が上手くいくというのだ。

「上司とのタクシーの乗り方」で「想像力と愛」を学んだ

こう聞くと「本当に?」と思う人も中にはいるだろう。

だが、少なくとも私の頭の中では、「想像力と愛」と今までの様々な経験が電光石火の如く結びついた。

卑近な例だが、個人的なエピソードを話してみたい。

まず、本書の中にも出てくるが、私は「上司とのタクシーの乗り方」で「想像力と愛」を学んだ。

私がマーケティングファームに入社して半年が過ぎた頃だったと思う。

客先に訪問する際に上司と初めてタクシーを使うことがあった。

私はマナー研修で「後部座席の奥に上司が座る」と教わっていたので、その通りにしようと思って上司がタクシーに乗るのを待っていた。

すると「何やってんだ早く乗れ!」と上司に急かされ、私が後部座席に乗ることになってしまったのだ。

まさに訳が分からなかったので、乗車中に恐る恐る上司に尋ねた。

「僕は、後部座席の奥に上司が座ると教わったんですが、これはいいのでしょうか?」

すると上司からはこう返ってきた。

俺が後部座席の奥に座ったとするだろ?そうしたら手前に座るよりも一回よっこいしょってするのが多くなるんだよ

それって俺に余計な体力を使わせることにならない?

私はこの時すごくハッとしたのを今でも覚えている。

それから、目上の人とタクシーに乗る際は「先に乗ってしまいますね」と一言前置きをして、後部座席にサッと乗り込むように変わり、他の方と乗車した時に「若いのに気が利くねー」などとよく言われた。

タクシーの乗り方を介して、私の人間関係がよくなったのだ。

先ほどのように当てはめると、

【後部座席は一回よっこいしょが多くなって体力を使うな =  想像力!】

× 【じゃあ一言言って僕が先に後部座席に乗ってしまおう = 愛!】

となるだろう。

「タクシーの乗り方」は、まさに私が「想像力と愛」の働かせ方を学習した現場だった。

人の車に乗ったら「想像力と愛」の不足を感じた

お次は「想像力と愛」の「不足」を感じた逆の立場のエピソードを話してみたい。

今年の話である。

2〜3ヶ月前に、仕事で人が運転する車に乗ることがあった。

私は普段自分が運転することばかりなため、人を乗せることはあっても人が運転する車に乗ることはほとんど皆無である。

しかし、この時は仕事の都合上、人の車に乗ることになった。

それで結論から言ってしまうと「とても怖い思いをした」のだ。

その人にとっては普通の運転だったのかもしれないが、私はもう二度と乗りたくない。

交通量が多く、混み合っている高速道路を走っているところで、少しでも入れる間隔があればガンガン車線変更をし、前の車との車間距離も無茶苦茶詰めるような運転だったのだ。

そもそもそこまで急ぐ用事では全くなかったはずなのだが・・・

前の車が少しでもブレーキを強めに踏めば間違いなく事故になっていたと思う。

結果的には何事もなく目的地には到着したのだが、着いた時にはかなり心労していた。

私以外にも数人乗っていたため他の人にもあとで聞いてみたところ、同様の感想を持っていたため私の感覚がズレているわけでは多分ない。

この苦い経験とも【想像力と愛】は結びついた。

要するに普通だったら、

【乗っている人は、車間距離を詰めたり、車線を変えまくったら恐いと思うだろうな=想像力!】

× 【じゃあ、安心してもらえるような運転をしよう = 愛!】

となるはずである。

しかし、その人の場合、

【乗っている人は、車間距離を詰めたり、車線を変えまくったら恐いと思うだろうな=想像力!】に気づかない。

あるいは、

【じゃあ、安心してもらえるような運転をしよう = 愛!】が不足している。

こういう状況にあったのではないか、ということである(あくまで私の憶測で実際のところは分からない)。

いずれにしても、私が「もう二度と乗りたくない」と思ったのは事実だ。

さらに、このようなことをされてしまうと「その他の面」においても悪い想像をしてしまうのが人間の性向ではないだろうか。

したがって、私とその人の人間関係がよくなるようなことは今後多分ない。

余計なお節介かもしれないが、こういう時に出会すと「なんか勿体ないな」と思ってしまうのだ。

「想像力と愛」を働かせた先には、大切にされているという感情が生まれる。

「想像力と愛」にまつわる二つの個人的なエピソードを話してみたが、思い当たるところはまだまだ尽きない。

「想像力と愛」を働かせたから人間関係が良くなった。

「造像力と愛」が不足していたから人間関係が良くならなかった。

自分のことを省みても、今まで関わってきた沢山の人のことを考えても「想像力と愛」を働かせることができたかどうかが「人間関係の成否」を分けてきたと言っていい。

こう思ったからこそ「良い人間関係を作るコツ(骨)だと言える」と確信を得たのだ。

長らく探し求めていただけに、前出の本を読んだときの衝撃は本当に凄まじかった。

この記事を書いている時点でAmazonのレビューは333件。

評価が圧倒的に高いのも頷けた。

しかしなぜ「想像力と愛」を働かせると人間関係が良くなるのだろうか?

これはシンプルに、された相手が「大切にされている」と感じるからだと思う。

おそらく、多くの「気が利くなー」の言葉や気持ちの裏には「大切にしてくれているなー」という感情が潜んでいる。

「自分の存在が重要だと感じたがっている」といった性向のある人間からすれば、大切に扱われることを嫌がるはずもなく。

むしろ、相手にそうされると自分もその人のことを大切にしたいと考える。

こうして「相思相愛の間柄」になっていくのだと思う。

私の経験則だが、何事も相思相愛の間柄でないと、最終的に良い結果にはならない。

こうを考えても「想像力と愛」はやっぱり、良い人間関係を作るコツ(骨)だと思えるのだ。

・ファイルをダウンロードさせるよりもURLでサッと見れる方がよいよな → じゃあ、そうしよう!

・進行表があった方が分かりやすいよな → じゃあ、作っておこう!

・あれもしかして掃除してくれた? → じゃあ、感謝の気持ちを伝えなきゃ!

・メッセージこれだとちょっと見にくいよな?→ じゃあ、見やすく改行したり、平仮名にしたりしよう!

「想像力と愛」はあらゆることに応用ができ、総じて人間関係を良くしてくれる素晴らしいコツだと思う。

ご紹介した「変える技術、考える技術」は他にも刮目すべき部分が多かった。

よければ是非手にとってみていただきたい。

Photo by Erik Mclean on Unsplash

【著者プロフィール】

タナカ シンゴ

最近あらためて「やってみる」という行動に勝るものはないよなあと思っています。コツ(骨)も、やってみる中から分かってきたり掴めたりするものですよね。やってみなければ分からない。

理工学部卒業後、マーケティングファームに7年間勤務。国内大手企業や外資系企業をクライアントに、営業、リサーチ、コンサルティング、商品開発、集客、マネジメント、リーダーシップの現場経験を積みジョブチェンジ。

現在はNPOと一人会社も兼業で、商品開発と集客のプロジェクト運営をしたり、webライティングをしたり、ネーミング開発もしたりしています。

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