田中 新吾

「交流(外交と内交)」は「良いアイデア」を生み出すトリガーとして機能する。

タナカ シンゴ

最近、自分の中で「交流の価値」について考えがまとまりつつあるため、その内容を備忘録として書き残しておきたいと思います。

結論から言うと、「交流」は「良いアイデア」を生み出すトリガーとして機能する。

これが私が交流に大きく価値を見出している理由です。

ジェームズ・W・ヤングの「アイデアの作り方」というベストセラーに言わせれば「既存の要素の新しい組み合わせ」こそがアイデアになるわけですが、「交流」とはまさに既存の要素の新しい組み合わせを生じさせるわけで、ゆえにアイデアを生み出すトリガーになるというわけです。

今日までもこの辺りについては感覚的にでも捉えて実践してきたわけですが、30代も終わりが見えてきた今になってようやく腹の奥底まで落ちた気がします。

そんな交流を考えるときに役立つ視点として、外交(外での交流)と内交(内での交流)という2つの概念を導入してみました。

これらの言葉は私が勝手に作ったものですが、この2つの視点が非常にしっくりきています。

まず、外交と内交の違いを簡単に説明してみましょう。

  • 外交:自分以外の他者(人や物事、もっと言えば風土=人々の生活や文化形成に長く影響を与える環境の総称)と交流をし、既存の要素を組み合わせること。たとえば、誰かと会話をしたり、ブログや音声配信を通じて反応を得たり、新しい経験をしたりすることが該当します。

これに対して、

  • 内交:自分の中の様々な「考え方」を交流させ、既存の要素を組み合わせること。

といった具合です。

外交は、他者や外部環境とのインタラクションから刺激を受けるプロセスです。

たとえば、友人と1時間ほど会話を交わすだけでも、新しい視点やヒントを得られることがあると思います。

また、自分の考えをブログや音声配信で表現し、それに対して誰かがフィードバックをくれることで新たな気づきが生まれることも多いでしょう。

いずれも交流をすることで既存の要素が組み合わさっています。

最近話題の日本的SNS「mixi2」なんかも外交にはもってこいでしょう。

招待リンクを貼っておくのでもしよければ…

一方、内交では、ツールを使うことで、自分の中の様々な「考え方」を交流させ、既存の要素を組み合わせることができる。

CosenseObsidianといったツールが内交に役立ちます。

最近の私が特に使っているのはObsidianです。

これらを使うと、自分が書き溜めたアイデアやメモにアクセスし、それを再構築したり関連づけたりすることで新しい発想が生まれたりします。

逆に、書き溜めておかなければ交流は生まれないので内交することはない。

今こうして書いている記事も、Obsidianのノート(「走り書きノート」)に書いていまして、書き終えた暁には「永久保存版ノート」に昇格させるプロセスです。

そして、日常的な内交によって蓄えられたアイデアを、外交によってさらに洗練させる。

このサイクルが、良いアイデアを生み出すために非常に重要だと感じています。

たとえば、内交の段階で湧き上がったアイデアの「素」を他者と共有すると、その人からの視点やリアクションによって新しい価値が付加されたりします。

逆に、外交で得た気づきを内交に持ち帰ることで、アイデアをより深く掘り下げられもする。

この行ったり来たりの循環が、質の高いアウトプットを生む秘訣なのだろうなと。

ちなみに、外交と内交、そして交流の価値についての考えがうまくまとまってきた背景にあるのは、今年の秋に我が町で行った「栢の木まつり」です。

このお祭りの目的そのものが「交流」にあったわけですが、それを終えて自分自身にとって「交流の価値」という大きな発見がありました。

少し前に「走るルートと時間帯が変わって、栢の木まで走るようになった」という記事を書きましたが、これはまさに私を取り巻く外交と内交によって生まれてきたアイデアだな、と今強く感じています。

参照:最近、ランニング習慣に起きた変化について。

ここでの「内交」では、以下の記事もまさに交流していましたね。

アイデアやインスピレーションは十分すぎるくらい私たちの中に存在し、外部との交流によってそれが引き出されるという事実である。

つまり、人との交流はアイデアを生み出すトリガーとして機能するが、元々は私たち自身の内部にその種が十分にあるということ。

「放牧」というメタファーは博報堂ケトルの嶋さんの本からのアナロジーだと大橋さんは教えてくれたが、「放牧」という言葉も私の腹にストンと落ちた。

参照:アウトプットネタは、脳内でもう十分すぎるぐらい「放牧」されている。

このような具合に、栢の木まつりを端にした外交と内交がなければ、「走るルートと時間帯が変わって、栢の木まで走るようになった」というアイデアは100%生まれていなかったでしょう。

思うに、一つの地域や会社で見た時にも、その地域や会社をよりよくしていくためのアイデアが豊富であればあるほど豊か。

その豊かさの源泉となるアイデアは交流(外交と内交)によって生まれている。

そして、外交だけでは片手落ちで、内交の方もとても大事。

この度、交流の価値を「外交」と「内交」という2つの視点で捉えることで、アイデアを生み出すプロセスとそのために必要な要素が私の中でより明確になりました。

繰り返しになりますが、外部からの刺激と交流をする「外交」と、自分の中にある考え方を交流させる「内交」をバランスよく行うことで、より良いアイデアを作り出し、それをさらに洗練させることが可能となる、ということです。

最後に以前書いた以下の記事にもリンクしました。

参照:「流れに注目すること」は、人生のあらゆる場面において大切で、間違いなく有用な考え方。

この法則は簡単に言えば「あらゆるデザインは流動系で、中を通過する流れを効率良くするために進化していく」というものである。

この視点もふまえれば、外交も内交も、いずれの交流にしても流れの効率良くさせることはいい仕事、いい働きとも言えそう。

外交と内交を生み出しつつ、そこでの交流がよりよくなるように流れを良くすることにも注力をする。

抽象的なまとめではありますが、個人的にはこうなってくると本当にいいアイデアが生み出されてくるのだと思えてなりません。

この方向性で今後は具体的な事例を増やしてみたい。

また何か気づいたり発見したことがあったら書きます。

UnsplashPer Löövが撮影した写真

【著者プロフィール】

著者:田中 新吾

ハグルマニ代表。お客様のビジネスやプロジェクトを推進する良き「歯車」になる。がミッション。お名前プロデューサー、タスクシュート認定トレーナー、#栢の木まつり 実行委員会事務局長としても活動をしています。

●X(旧Twitter)田中新吾

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