田中 新吾

物事に対する「解像度」を上げると世界が変わる。

タナカ シンゴ

私がコンタクトレンズをつけはじめたのは中学生になった時。

それまで、ぼんやりとしか見ることが出来なかったサッカーボールがはっきりと見えるようになり、そこからサッカーがもの凄く上達して、サッカーをするのがとても楽しくなった。

ボールがぼんやりとしか把握できなかった小学生の頃は、当時サッカーコーチをしていた父の考えに影響されていたと思う。

ミスをすれば怒られるし、とても楽しめているとは言えなかった。

ところが、コンタクトレンズを手に入れたことで私の世界は急変したのだ。ボールがはっきりと見えるから次のプレーのイメージが湧いてくる。

ボールが見えるから余裕をもって味方の動きを意識することができる。

この時の感動は今もまだハッキリと覚えていて、自分で考えてプレーをすることを手に入れた瞬間でもあった。

大袈裟かもしれないが見るものすべてが色鮮やかに見えた。

この頃、解像度が上がるという現象も言葉も知らなかったため、うまく表現することができていなかったが、大人になった今考えれば、それはまさに解像度が上がったことによる上達という体験だったと言える。

解像度を上げればもっと見える

解像度が上がると上達する。

このとき手にした感覚は30歳を過ぎた今もまだ忘れずに大切にしている。

そして、明確な根拠はないがたぶんこの時の上達度合いはかなり大きい。

私は、この時をきっかけにして、生きていく中でなにかと解像度を上げることを意識してきたと思う。

たとえば「言葉は知っているんだけど、どういうことか説明することができない」というのは、言葉に対しての解像度が低い身近な例だ。

そして、SNSで流れてくるものはとりわけ解像度が低いと思っている。

このように、僕たち私たちの身の周りには「見ているんだけど、よく見れていないもの」つまり解像度が低いものがとても多い。

そして、それに囲まれて当たり前のように暮らしている。

見ることさえできていれば、もしかしたらそれは人生を大きく好転させる機会となっていたかもしれないのにだ。

このことをまず自覚する必要は大いにあると思う。

では自覚したところで解像度をあげるためにはどうすればいいのか。

それには観点(モノの見方)が必要だと思っている。

それも複数の観点が必要だ。

どうにもこの世の中のモノゴトは複雑で多面性がある。

コンタクトレンズのように何か一つ身につければ急激に解像度が上がるほど世の中イージーには出来ていない。

薄いコンタクトレンズを何枚も何枚も重ねて見るとか、別のものに付け替えたりを何度もしなければ対象となるモノゴトの解像度は本質的に上がってこない。

僕にとって解像度が上がったとする感覚は、はじめてコンタクトレンズを付けた時のサッカーボールの見え方だ。

その感覚にたどり着いてないもののすべてがもっと見えるはずと思うようにしている。

まだまだ上達する余地は様々なところに潜んでいるのだと。

余談だが、こないだ久しぶりにストレングスファインダーをしたら学習欲が一番にでた。

解像度に対する意識が現れたのかどうなのかは不確かだが、結果にはとても納得感がある。

とにかく学習したい。観点を身に付けたい。

さいごに

この記事を書こうと思ったのは、最近昔のアルバムを見ていた時に「そう言えば!」と思い出したからだ。

中学の時の体験をいい意味で今もまだ引きずっている。

解像度はしごとや暮らしを貫く私にとっての指針、あるいはコンセプトなのかもしれない。

そして自分を省みると、意外な発見があるものだなと改めて感じている。

記事を書き上げた後に「解像度」でTwitter検索をかけてみた。

そうしたらGOの三浦さんがこんなツイートをしていた。

天才の本質はアウトプットではなくインプットにある。彼らは世界に対する解像度が圧倒的に高く、普通に生きてるだけで普通の人の100000倍くらい感じたり気づいたりする。

だから、アウトプットも圧倒的にすごいものになる。しかし本人にとっては普通に生きて普通に気づいたことを普通に表現しているだけ

天才の本質は解像度が高い状態のインプットと言っており、別に天才になりたいわけではないけど、何かができるようになるための本質的な部分についてはズレていない。

そう思った。

【著者プロフィール】

田中 新吾

今推しの漫画は、ジャンププラスで連載中の「ダンダダン」。「ターボババア」という現代妖怪に心とアソコを奪われそうです。

幅を愉しむWebメディアRANGER(http://ranger.blog)の管理人・ブロガー・複業実践者。長年のマーケティングの経験があり、商品やサービスとお客さんの出会いを演出するのが得意です。

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