田中 新吾

色んな豊かさがある中で、唯一、この世に生まれた時からいつもつねに十分にあり続ける、十分に得ているのは「時間」だけ。

タナカ シンゴ

最近、Googleに「豊かさ」という検索キーワードを入れたら過去にEvernoteにストックしていた以下の記事が目に入ってきました。

Evernoteにクリップしておくと検索時にこういう偶然の出会いがあるんですよね。

本当の豊かさとは、お金ではなく「時間」である 地方の農家に学ぶ、“ゆっくり生きる”が人生にもたらすもの

2017年の記事ですが非常に読み応えのある内容でした。

特に刺さったのは以下の部分です。

辻:むしろ悪くなっている気がする。本当の豊かさは時間だと思うんです。考えてみれば、人生で本当の意味で「自分のもの」と言えるのは時間だけでしょ。時間だけなんです。この今の時間。

そういう意味では、もうすごいですよ。僕ら今、なんの縁があってか、ここで貴重な人生の時間を、こうやってこういうメンツで過ごしている。本当に考えてみたらそれ以外ないんです。

山崎:そうですね。

辻:その時間をどうやって過ごしていくのか? それが豊かさのような気がします。

辻さんがおっしゃっている時間こそが本当の豊かさであるという話。

2017年にはじめて読んだ時はおそらく「なるほどなあ」という程度だったのでしょうけど、今では「まさに我が意を得たり」という確信感を抱きました。

この変化の背景にあるのは、タスクシュートを通して「自分らしい時間的豊かさ」を追求するようになったからでしょう。

※タスクシュート協会理念はこちら

以前にも「豊かさ」について記事を書いたことがありました。

これらを思考の材料にしながら、私なりの平易な言葉で「豊かさ」を定義するとするならば以下のようなものになる。

豊かさとは、何かがたくさんある状態。

「何か」には様々な事物が入る。

モノ、自然、情報、スキル、お金、表情、友達、選択肢、快適、便利、スピード、自給率、地域でいけば人、など。

西ドイツの「何もしない時間」もここに入れることができるだろう。

そして、その豊かさに対して実際に「豊か」と感じるかどうかは、各個人の価値観や優先順位によってバラツキが出るという具合だ。

戦前の日本の貧しさ、戦時中の飢えを知る人たちが、命にとっては「モノ」と「金」が大事であるとして「モノと金の豊かさ」に夢中になってきた、という話はこれまでに何度か耳にしたことがある。

この時代精神が完全に消え去ることはまだまだ無いにしても「豊かさ=モノと金がたくさんある状態」というところから脱却しつつあるのが現代といったところだろう。

参照:「豊かさ」が側にあると「危機意識が根付きにくい」という問題について。

この記事を書いたのは2023年4月で現時点から1年半以上前のことになります。

この当時は「豊かさとは、何かがたくさんある状態」と定義したものも、今では若干チューニングされており、「豊かさとは、何かが十分あると感じている状態、何かを十分得ていると感じている状態」になりました。

例えば、

人間関係が十分にある、人間関係を十分に得ている=>人間関係的豊かさ

経験が十分にある、経験を十分に得ている => 経験的豊かさ

お金が十分にある、お金を十分に得ている => 経済的豊かさ

財産や所有物、食事、住まいが十分にある、財産や所有物、食事、住まいを十分に得ている => 物質的豊かさ

愛情、感謝、安心感が十分にある、愛情、感謝、安心感を十分に得ている => 感情的豊かさ

時間が十分にある、時間を十分に得ている => 時間的豊かさ

といった具合です。

そして私が今強く思うのは、色んな豊かさがある中で、唯一、この世に生まれた時からいつもつねに十分にあり続ける、十分に得ているのは「時間」だけということ。

言い方を変えれば、時間は「ある」がデフォルトに対して、時間以外は「ない」がデフォルト。

時間以外は「ない」がデフォルトで生まれ落ちるので、そこから得なければいけませんが、時間については生まれ落ちたその瞬間から常に「ある」がデフォルトです。

そして、そんな時間を用いて時間以外の豊かさを感じていく、得ていくのが人生という理解。

つまり「時間的豊かさ」はすべての豊かさの土台となっている、ということ。

したがって、すべての豊かさの土台となっている「時間的豊かさ」を追求し、得られるようになってくると、他の豊かさも自ずと得られるようになっていくのかと。

逆に言えば、ここをスルーして時間以外の豊かさを真に得ることは難しい。

豊かさに置いて、真に重きを置くべきは「時間」なのだと思うんです。

現時点で、このような考えに至っていたからこそ、冒頭の「時間こそが本当の豊かさ」という部分に対して「我が意を得たり」と思ったのでしょう。

引き続き、時間的豊かさを日々追求していきたいと思います。

UnsplashHale Tatが撮影した写真

【著者プロフィール】

著者:田中 新吾

「時間的豊かさ」を得る方法について、私が所属しているタスクシュート協会では「ある結論」に行き着いています。

その結論を土台にした講座が「タスクシュートマスター講座」というものでして、私も今年2回この講座を開講させてもらったのですが、めちゃくちゃディープでとてもオススメの講座です。

ハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)。プロジェクトデザイナー、お名前プロデューサー、タスクシュート認定トレーナーの3つの専門分野を活かして、皆さまのビジネスやプロジェクトのお手伝いをしています。ポッドキャスト番組 #internaming パーソナリティ。地元の地域活性化にも挑戦中。

●X(旧Twitter)田中新吾

●note 田中新吾

会員登録していただいた方に、毎週金曜日にメールマガジン(無料)をお届けしております。

「今週のコラム」など「メールマガジン限定のコンテンツ」もありますのでぜひご登録ください。

▶︎過去のコラム例

・週に1回の長距離走ではなく、毎日短い距離を走ることにある利点

・昔の時間の使い方を再利用できる場合、時間の質を大きく変えることができる

・医師・中村哲先生の命日に思い返した「座右の銘」について

メールマガジンの登録はコチラから。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

これからもRANGERをどうぞご贔屓に。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

記事URLをコピーしました