ひとは「形を変えると」急にその価値を認識する。
現在放映中の仮面ライダービルドが今度の日曜日、ついに最終話(49話)を迎える。
この画像は第44話で4人のライダーが揃って初の同時変身をした激アツのシーン。
今作も前作のエグゼイドに続けて、大森敬仁さん(@Takahito_Omori)がプロデューサーをつとめる作品なのだが、エグゼイドと同じくきっと視聴者の記憶に刻まれ続ける作品になる。大森さんは稀代のヒットメーカーだ。
参考記事:さあ、新しい「仮面ライダー」を始めようか – 東映・大森Pが語るエグゼイドとビルドの”二か年計画”
対象や立場は違えど、仕事において大森さんと同じく「プロデューサー」的な動き方が求められる僕にとっては学ぶべきことが非常に多い。刺激を受けた回が終わっては「いいプロデューサーとはなんだ?」と自問している。
最終回を前に、大森さんへの畏敬の念を込めて仮面ライダービルドネタの記事を書き残しておきたい思う。
演技力が光るイケメンは「より特別な存在として」視聴者の記憶に残る
今年の4月、物語の中盤にこんなツイートに共感が集まっていた。
あまり人参食べてくれない3才の息子が仮面ライダークローズの万丈が人参スティック食べるシーン見て「人参食べてる❗️」って言って人参パクパク食べてくれたので今後もヒーローの皆さんは意味無くてもいいので野菜食べてください。次はピーマンかブロッコリー食べてくれたら助かりますww
— works (@works201689) April 2, 2018
仮面ライダービルドの一コマから起きたストーリーなのだが、見た時とてもほっこりした。仮面ライダービルドを観ていない人のためにも少し説明を加えておくことにする。
ここに出てくる仮面ライダークローズは、主人公仮面ライダービルドの相棒で、赤楚衛二(あかそえいじ)さんが演じている万丈龍我(ばんじょうりゅうが)が、変身ベルト(ビルドドライバー)を使って変身した姿だ。
二人目のライダーということで、2号ライダーと呼ばれ下の動画の左側に立っているオレンジ色のライダーがそれに該当する。
ちなみにオレンジ色のクローズは、クローズの最終形態で、仮面ライダークローズマグマと言う。変身する時の効果音は、超有名声優の若本規夫さん(穴子さんやセルの声優)が担当している。
こうした細かなギミックまで視聴者を楽しませてくれる。プロデューサーの魂は細部に宿るとはこういうことだと思う。
仮面ライダークローズ&グリス同時変身シーン!!#仮面ライダービルド pic.twitter.com/N7UfnT21hK
— Haru!! (@AZGSISztz1YF7os) May 6, 2018
仮面ライダークローズ(=万丈龍我)は、見た目も台詞もいちいちかっこいい。そして物語における超重要キャラクターだった。その人気は、主人公のビルド以上と言っても過言ではないだろう。
イケメンは見ているだけで心躍るものだが、そこに高い演技力が加われば何十倍も楽しませてもらうことができる。俳優として演技力が光るイケメンは、より特別な存在として視聴者の記憶に残る。
こう視聴者に言わしめる赤楚衛二(あかそえいじ)は、多分、今をときめく竹内涼真(=仮面ライダードライブ)の後を追う俳優になると思う。そう信じて止まない。
「いつ」「だれが」「どんな風に」伝えるか
人参パクパクの話に戻すと、これは人は形を変えると急にその価値を認識したりする、ということだと思う。人参が好きではない子供に、人参を人参のまま見せても、何の魅力も価値も感じないが、イケメンヒーローが人参を食べているのを見たら、今までが嘘のように人参を食べ始める。何とも不思議な現象だ。
まだ認めていない価値を認知させるような仕事をしていると、ついつい内容に目が行きがちになる。
でも、ほとんどのことは「いつ」「だれが」「どんな風に」伝えるかの方が大事な場合が多い。内容は当然大事なのだけれど、それは届かなければ何の価値にもならない。
情報が爆発し、価値観も爆発してきている時代だから、その情報を、どのように届けるかを考えられる力が重要視されている。これはいわゆる編集力というやつだ。編集というと雑誌や本やTVをイメージするかもしれないが、それではもう古い。
現代は個人がメディアを持ち、情報爆発と価値観爆発の渦の中に身を置いている。twitterやnoteで情報発信を続けていたら、編集とは、この時代を気持ちよく泳ぐためのものであると思うようにもなった。
「編集とは何か?」はいろはも何もスクールで学んだことはない。でも自分なりにでもその目線でインプットとアウトプット、そして間のスループットを行い続けることで、少しづつだが編集という目線が備わってきているのを感じている。
「プロデューサー」と「編集者」について改めて考え直していたんだが、現時点の結論がでた。
(結論) 今必要な人材は、コンテンツの編集者でありながらプロデュースも出来る人。編集プロデューサー。
コンテンツの調達から届ける仕組みやマネタイズまで全てを手がける人のこと。スッキリした。
— タナカシンゴ (@Shingo_tna) January 20, 2018
さいごに
前に書いたこの記事も仮面ライダービルドに触れているので興味があれば是非。
子供向けと思いきや、大人も十分に楽しめる内容になっているので機会があれば見てみて欲しい。そして今回のツイートをきっかけに、ヒーローの皆さんは意味もなく野菜をパクパクと食べることが増えそうな予感もする。9月からはじまる平成最後の仮面ライダー(=仮面ライダージオウ)にはそういう意味でも注目を寄せている。
仮面ライダーは、佐藤健(仮面ライダー電王)、菅田将暉(仮面ライダーW)、福士蒼汰(仮面ライダーフォーゼ)、竹内涼真(仮面ライダードライブ)など、実力派俳優を生み出すことでも有名だ。こうした駆け出しの注目俳優をいち早くチェックし成長を見ていくという楽しみ方もある。物事は一面的ではなく多面的だ。だから自分が面白いと思うポイントが見つかればそれでいい。
とにかく仮面ライダービルド、最終話が楽しみで待ちきれない。心火を燃やして視聴します。S.H.フィギュアアーツはクオリティが異常に高くめちゃくちゃかっこいいです。
それでは今日はこの辺で!