様々なネーミング(名付け)について考えながら、ネーミングの中に入っていく。
このブログを読んでくださっている方は私が「ネーミング(名付け)」の仕事をしたり、ネーミングに対するこだわりを持っていることを恐らくご存知かと思います。
過去には以下のような記事も書きました。
中身を考えるよりも10倍以上の時間を使うくらい「制度のネーミング」にはこだわった方がいい。
「人は名前を付けることで、新しい概念について向き合い、ちゃんと考察できるようになる」という確信がさらに強まった。
Xの方では日常生活の中で気になったネーミングがあった場合には、簡単なコメントを付けて投稿をするようにもしています。
和歌山のスナック生まれのスナック菓子。
— 田中新吾|ハグルマニ (@tanashin115) September 25, 2024
・あんこのみの「ひとり」
・あんことバターの「であい」
・あんことバターの「わかれ」
まるでスナックでの人間模様のようなネーミングが秀逸です。環境と組み合わせると鋭いアイデアになる。https://t.co/cYcGxBn3tN
端的に言うと「ネーミングが好き」なのですよね。
好きが講じてか、周囲にも「ネーミングの人」と認識してくださる方が増えてきている実感があります。
有難いことに「良いネーミングを考えてくれる人」という認識をしてくれる方々が周囲にまた増えてきました。
— 田中新吾|ハグルマニ (@tanashin115) August 26, 2024
今もまさに考え中の案件があるのと、先週も新しい相談をもらいました。…
本当に有難い限りです。
さて、前置きはこの辺りにしまして、本記事ではそんな私が最近になって新しく開設した
「ネーミングをテーマにしたポッドキャスト番組」
についてご紹介させていただきます。
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番組名は「inter-naming」と名付けました。
色々な試行錯誤を経て、この名前です。
私のネーミングワークが大きく進んだのは、ベトナムの僧侶、禅師、詩人 ティク・ナット・ハン師の言葉「inter-being」を知った時でした。
この言葉、聞いたことがある方はどのくらいいるでしょうか?
かくいう私は、このポッドキャスト番組名を考えている期間中に、それこそ本当に偶然別の文脈で調べ物をしていた時に知ったものです。
ティク・ナット・ハン師によれば「inter-being」とは「私たちが、あるいは、何かのものが、ただ自分だけで存在することはありえないし、私たちは、ほかのすべてのものとともに存在している」という意味です。
彼はフランス、アメリカ、オーストラリアを中心に活躍した禅僧、詩人、 そして静かな平和運動家で、ベトナム戦争のさなか、戦禍をくぐりながら「行動する仏教」(Engaged Buddhism) を提唱したそうです。
非暴力に徹して戦争の終結を祈り、人々と共に行動した経験から命名された運動なのだとか。
「我々は一つとして存在している」ことを強く説いていくことで、暴力や戦争を世界から無くそうとしていたのだと思います。
私がティク・ナット・ハン師のことを知ったのは本当につい最近なのですが、医師 中村哲さんのことを知った時と同じくらい大きな衝撃と感銘を受けました。
そして、
「グッドバイブス ご機嫌なしごと」の中に出てくる「ひとつ意識」
農山漁村の民衆精神を説かれる内山節さんの「すべてが結び合っている世界」
以前、このブログでもご紹介した「self as we」
どれも「inter-being」的な考え方・姿勢として私の中でリンクしました。
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「inter-naming」は、そんな「inter-being」からオマージュさせてもらったわけです。
このあたり、もう少し詳細にご説明してみますね。
まず一つ目として、ネーミングもネーミングだけで存在しているわけではなく、様々なモノ、状況、時代とともに存在している、という私の考えにジャストフィットしました。
私は「お名前プロデューサー」として、時折、ネーミングの仕事を受けることがあるのですが、自分の中だけでネーミングが行われるのではなく、誰かとの関係性や、時代や環境との関係性の中でネーミングは進んでいき、結実するという考えが根底に強くあります。
言い方を変えると、ネーミングとはクリエイティブではなく、コクリエイティブとして捉えているということです。
この考えは私がネーミングをする上で、最も大事にしているものと言っても過言ではありません。
そんな私にとって「inter-being」が持っている意味合いは本当に好都合でした。
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次に、
インタービーイング
と
インターネーミング
音が類似していて、文字数も同じになる部分にも着目しています。
この同字数であることと、音が似ているところが最高によかったです。
似ているというのは、人の認知負担を下げたり、記憶を助けることはよく知られていることだと思いますが、これはネーミングにおいても漏れなくだと思ってます。
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3つ目に、
「inter」という言葉にはそもそも「入っていく」という意味がありますよね。
番組を開設するならば「ネーミングの奥深くまで入り込み、その背後にあるストーリーや背景、関係性を探っていきたい」という考えがあったため、interが入っているのは私にとっては大変に好都合でした。
ネーミングは単に言葉の選び方ではなく、それが生まれた文化、社会的な背景、そしてその時代の空気を反映しています。
そうした「つながり」を探求し、どのようにしてネーミングが私たちの生活や価値観と共鳴しているのかを少しでも紐解いていくのが、このポッドキャストの目的です。
interがあることで、このような説明が分かりやすく出来るようになりました。
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そして、最後に、
タイトルがとても付けやすいと思ったのです。
例えば、
ご紹介したい名前が「ハグルマニ」なのであれば、
配信のタイトルは inter-ハグルマニ
ご紹介したい名前が「TaskChute」なのであれば、
配信のタイトルは inter-TaskChute
このように、namingの部分を今回取り上げる名前に変えることで、番組のコンセプトをうまく保持しつつ、ご紹介できることに気付いたのです。
ポッドキャストをやっているとタイトル付けにはいつも悩むのですが、こうして「規格化」できたことで今後の運用の心的ハードルがめちゃくちゃ下がりました。
以上4点が決定的なポイントです。
*
ネーミングというのは「名付け」ですから「行為」であり、そこには「時間」や結果論としての名前に至るまでの「出来事」が必ず様々に存在します。
名前だけのことを考えるのであれば、inter-nameですが、そうではなくinter-namingとしたのは、名付けるという行為に生じる、時間の使い方や、その間にある出来事にこそ優れた名前のヒントがあると思うからです。
私たちに見えるのは結果論としての名前でしかありません。
しかし、優れた名前というのは、その裏側には想像を遥かに超えたストーリーやきっかけがあったりするものです。
誰かのネーミングについて考えるわけですから、本当のところは分かりませんし、すべて憶測にしかなりませんが、それでも、今この取り組みを求めてくれている方がいる以上、細くても長く続けていきたいと思います。
この辺の話をポッドキャストの方でも配信しているのでもし良ければお聴きいただけると嬉しいです。
UnsplashのMikey Rogersが撮影した写真
【著者プロフィール】
著者:田中 新吾
ポッドキャスト番組を立ち上げるのは今回でかれこれ5回目になります…….
また新たな気持ちでやっていきますので何卒です!
ハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)。プロジェクトデザイナー、お名前プロデューサー、タスクシュート認定トレーナーの3つの専門分野を活かして、皆さまのビジネスやプロジェクトのお手伝いをしています。ポッドキャスト番組 #internaming パーソナリティ。地元の地域活性化にも挑戦中。
●X(旧Twitter)田中新吾
●note 田中新吾
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最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからもRANGERをどうぞご贔屓に。
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