どうでもいい話をしたくなる人こそ、実は「どうでもよくない存在」という話。
先日Xを眺めていたらわびさんという方の投稿がタイムラインに流れてきた。
確かに私も思う。
どうでもいい話をしたくなる人こそ実は「どうでもよくない存在」だ。
そしてだからこそ、そういう人がもし今近くにいたとするならば、死ぬほど大事にした方がいい。
*
話は変わるが、2019年に世界遺産石見銀山の麓にある大森町に滞在していた時のエピソードについて少しだけここで語らせて欲しい。
滞在中、私は群言堂の松場忠さん(現グループ代表)の粋な計らいで、街並み保存に関する討論会の打ち上げ(飲み会)に参加させてもらった。
その飲み会の参加者は世界遺産登録される以前から町並保存に関わってきたおじさん達。
大田市の銀山課の方々。
そして、大森町の二大企業である群言堂と中村ブレイスの皆さん。
数にして8名〜9名くらいだったと記憶している。
「街並み保存の話についていけるだろうか?」と思いながら参加させてもらったのだが、私のこの心配も杞憂に終わった。
真面目な話は乾杯前に僅かだけして、後はひたすら飲み食いしながら本当に終始笑いが絶えない飲み会となった。
特に笑わせてもらったのは中村ブレイスのTさん。
Tさんから全国に7,000もある「駅舎」をほぼ全て回られたという話があったのだ。
一つの駅舎に対して50〜60枚の写真を撮っているということでそのストックたるや半端じゃないということ。
ご自身のことを「鉄っちゃんではなく、駅ちゃんですね」と称していたのを今でもよく覚えている。
私の地元にあるローカル駅にも3度訪れたことがあるそうで、大森町にきてまさか馴染みのある駅名を聞くとは思ってもみなかった。
そして、この異常なライフワークについて、この時参加された私以外の方々もみんなはじめて聞いたことだったことが余計に面白かった。
どうやらTさんがあんまり大森町に居ないかららしい笑
他にも面白い話は色々とあった。
大森町には、銀山、宮の前、新町、駒の下、昭和などなど、あわせて9つの自治会があるのだがその境がよく分からないという話。
夜な夜なポケモンGOをしに来る人がいてその車の音が気になるという話。
スタンプラリーが嫌いな住職がいて嫌いな理由を教えてもらったり、Tさんを銀テレ(ローカルケーブルTV)にプロデュースしよう、など結果的にそれはそれは色々な話を聞かせてもらうことに。
すっかりその場に馴染むことができ、私にとって本当に忘れられない一夜となった。
飲み会の終わり際に、スタンプラリーが嫌いな住職から「どうでもいい話ばかりでごめんねえ」「町の話全然してないね」という言葉をかけられた。
これに対して私は、
「いえ、めちゃくちゃ楽しくて最高でした」
確かこういう感じの回答をした。
今あらためて振り返ると「どうでもいい話ができる存在=どうでも良くない存在」という考え方の形成に、この時の経験はかなり影響している気がしてならない。
その場に集まった誰もがお互いにどうでもよくない存在。
だからこそ延々とどうでもいい話ができたのだろう。
*
冒頭に、もしもこういう人間関係が今既に存在しているとするならば、それは死ぬほど大事にした方がいいと思うと述べた。
その理由はただ一つである。
人間関係だけは、効率化できないと強く思うから。
わびさんも言っているとおり、どうでもいい話はお互いのことを理解し合っていないと長続きしない。
中身のある話って誰でも聞いてくれるけど、中身のない話はお互いのことを理解し合っていないと長続きしないからです。
お互いのことを理解しあっている状態を作るのは本当に骨が折れる。
冒頭の投稿は、あらためて身の回りの人間関係を見つめ直そうと思える、そんなきっかけを私に与えてくれた。
【著者プロフィールと一言】
著者:田中 新吾
プロジェクトデザイナー|プロジェクト推進支援のハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)|タスクシュート(タスク管理術・時間管理術)の認定トレーナー|WebメディアRANGERの管理人(https://ranger.blog)|「お客様のプロジェクトを推進する歯車になる。」が人生のミッション。
最近は書く場所が増えたのもあって、以前と比べてRANGERに僕が投稿する一つの記事の文字数が減っている傾向にあります。既にお気づきかもしれません。でもこれはこれでアリかも?と思うことが増えました。
●X(旧Twitter)田中新吾
●note 田中新吾
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