ブログは「自分の学びを深めるツール」として、未だに優れていると思う。
ブログを書くことを習慣にしているからか、時折「なんでブログ続けているんですか?」と聞かれることがある。
「今はまだ自分のことを知らない誰かに、自分のことを少しでも知ってもらえたら嬉しいから」
「歯磨きをするのと同じくらい書かないと気持ち悪いから」
「自分自身の心を直接観察することができるから」
参照:「私は長らく瞑想的なことをしてきているのかもしれない」と思った話。
例えば、理由としてはこんな具合だ。
習慣化には必ず多くの「止めるための理由」との戦いが生じるわけだが、ことブログに関しては今はもうほぼほぼ制圧した感がある。
何でも10年以上も続けるとさすがにこの領域に辿り着くことができるのかもしれない。
そしてつい最近、最初のような質問に続けて以下の質問をもらう経験をした。
「やるための理由が幾つかある中で、最もやるための理由になっているものはなんですか?」
これに対して私は、
「自分の学びを深めるツールとして優れていると思うから」
と回答をした。
以降ではこの考え方について備忘も兼ねて書き残しておきたいと思う。
自分の学びが深まるのは、人にお教えする時
「自分の学びはどんな時に深まりますか?」
このような質問があった場合、皆さんはどんな回答をするだろうか?
少し考えてみていただければ嬉しい。
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かくいう私に関しては「自分の学びが深まるのは、人にお教えする時」と回答する。
この考え方をインストールしてくれたのは、昔お世話になった学習塾の塾長だ。
参照:「目的意識を持ちなさい」と言わずに、人に「目的意識を持ちたい」と思わせるためにはどうすればいいのか。
「学んだことは誰かに教えられるレベルまで持っていきなさい」
口酸っぱく塾長が言っていたのを今でも覚えている。
そして、私はこの教えにできるかぎり則り、これまでの人生を歩んできたわけだが経験則からしてもこの教えは納得感が高い。
だからこそ「自分の学びが深まるのは、人にお教えする時」という考え方を常に持ち歩いているという状況だ。
ちなみに、工学者兼作家で知られる森博嗣さんも「人に教える時に学びが深まる」と述べている。
人に教えることは、本当に勉強になる。
いろいろ覚えられるし、また教えているときに、数々の発想も生まれる。
新たな疑問点に気づいたり、関連したことでふと思いつくことが多く、それがヒントになって本業の研究に役立つことも幾度かあった。
皆さんも、自分で勉強したことを家族や友達に教えてみると良い。
頭に入ったことを再び外に出す、アウトプットすると、記憶が頭に深く刻まれるような感覚になるだろう。理解度が増し、記憶もデータとして精確になり、長期間忘れない。
ただ経験しただけのことよりも、その経験を人に話したことの方がよく覚えているものだ。
ただインプットするだけとは、大違いなのである。
この箇所を読んだ時はまさに我が意を得たりであった。
ブログは擬似的に誰かにお教えするという状況を作ることができる
ここまで書くと「教える時に学びが深まるのはよく分かった、でもそんなに教える機会なんてないんだけど」という意見を持つ人もいるだろう。
たしかに何かの先生をしていたり、上司のような立場でなければ「誰かに何かを教える」という機会は多くはないのかもしれない。
昔の私もそう思っていたところはあった。
しかし、今の私の考え方はこうである。
「人に直接会ってお教えするという機会が作れなくとも、ブログや声のブログを使って、擬似的に自分が学んだことをお教えする状況はいくらでもつくることができる」
森さんも言っているとおりだが、ブログは誰かに読んでもらうことを意識すると、思考回路が明らかに変わる。
自分が学んだことを振り返り、整理し、相手にも伝わる形で出力する。
このプロセスを通すと学んだことへの理解は深まり、忘れにくい学びになるという確かな実感があるのだ。
何かを書かせるだけなら高性能なAIがある時代になった。
にもかかわらず、自分でブログを書いたり、自分で声のブログを配信をしたりする人はまだまだ多く存在する。
最終的なアウトプットのことだけを考えればAIに任せてしまえばいいのかもしれない。
でもそれでは自分の学びは深まらない、ということなのだと思う。
学びを深めることは世界をより美しく感じることやより楽しむことにつながる。
そう思うからこそ、擬似的に誰かにお教えすることができるブログ(あるいは声のブログ)というツールはこの先も引き続き使っていきたい。
UnsplashのThought Catalogが撮影した写真
【著者プロフィールと一言】
著者:田中 新吾
プロジェクトデザイナー|プロジェクト推進支援のハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)|タスクシュート(タスク管理術)の認定トレーナー|WebメディアRANGERの管理人(https://ranger.blog)|「お客様のプロジェクトを推進する歯車になる。」が人生のミッション|座右の銘は積極的歯車
「教える」は上の立場の人が使う言葉だから使う時はできる限り気をつけることという学びも塾長からのものです。
●X(旧Twitter)田中新吾
●note 田中新吾
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