「物事にハマる」メカニズムが、よくわかった。
「物事にハマる」メカニズムが、よくわかったので書き残しておこうと思う。
先日、ソトコト編集長の指出さんから聞いた話で、強く印象に残っているものがある。
「ぼくの頭の中は釣りしかなくて、特にヤマメとタナゴのことばっかり考えています」
by 指出さん
ソトコトの編集長は、ヤマメ(山の魚)とタナゴ(田んぼの魚)にどハマりしているひとだった。
指出さんにとってのヤマメとタナゴは、奥深くそして複雑。広がりは無限がゆえにそれはまるで終わりなき旅のようなもの。
そのお話をされている時はとても幸せそうな顔をされていた。
そして、私はヤマメとタナゴの話を聞いて「だから編集長というポジションにいるひとなんだな」という感想をもった。
なぜなら、私が今まで出会ってきた仕事ができる人や、一流と呼ばれる人は、たしかに「何かを突き詰めてハマることができる人」だったからだ。
それからしばらくの間、「どうしたらひとは物事にハマることができるのか?」という問いが頭の中を廻るようになり、いい機会だと思考してみた。
その思考結果を整理整頓したのが下の図である。
思うに、ハマるというのは、このサイクルが回ることによってもたらされ、サイクルが回り、「つながる」のネットワークが複雑になればなるほどハマっていく という、メカニズムだ。
以下この図に対して、細かな説明を加えておく。
「面白い」から「ハマる」
これは説明するまでもないと思うが、ハマるには、その対象について「面白い」と思うことが絶対的な条件となる。
人は、面白いと思わないのにハマることはできない。
だから、面白いと思わないものはそもそも選ばないのが吉かもしれない。
人が「面白い」と思うのは「つながる」から
「TVドラマ」を考えると分かりやすい。
一話だけでは、人間関係もストーリーもつながりがないので、面白いと思うのは難しい。
しかし、二話・三話と見続けると、人間関係やストーリーがつながりはじめる。
そして更に話を観進めていくと、散らばった伏線が回収されだし更につながる。
こんな感じで、自分の頭の中とドラマが「つながる」から、ひとはそのドラマを「面白い」と感じるのだ。
その物事自体に「面白い」を感じているのではなく、その物事と「つながる」ことに対して「面白い」を感じているというのが本質だろう。
「つなげる」から「つながる」
「つながる」ためには「つなげる」必要がある。
ドラマを観ていたとしても、登場人物の言動や、事象を「つなげる」意識がなければ人間関係もストーリーも「つながる」こと絶対にない。
途中から見始めたドラマを離脱してしまいがちなのは、進んでしまって知らない部分があり「つなげる」意識が働かせづらいからだ。
「ハマる」から余計に「つなげる」意識がはたらく
そして、これもドラマで考えればよく分かることだが、「ハマる」状態を生み出せれば、あとはもう自動で「つなげる」意識が働くようになる。
このようにしてサイクルは回りだし、回れば回るほど複雑なネットワークが作られ、ネットワークの引力が増し、引き込まれていく。
これがいわゆる「ハマっている」という状態。
このサイクルを回すために重要なこと
それは「面白い」と思える「つながる」に出会うまで、「つなげる」を続けること。
なぜなら、人はどんな「つながる」に「面白い」と思うか分からないからだ。
人によっては、登場人物同士における「つながる」に「面白い」と思うかもしれないし、
自分の過去の体験との近似における「つながる」に「面白い」と感じるかもしれない。
あるいは、全然違うドラマとの「つながる」に「面白い」と感じるかもしれない。
だからこそ、少しでもハマりたいと思った時は、とにかく「面白い」と思えるまで「つながる」を「つなげる」によって作り続けることが大事だと私は思う。
これができないものに関しては、いつになってもハマることはできない、そう思った方が自分にとって健全なのではないだろうか。