田中 新吾

どうやら「一番頭が回転する瞬間は呼吸をしていない」は本当のことのようだ。

タナカ シンゴ

皆さんは「呼吸」についてどのくらい関心があるだろうか?

不調改善の専門家によれば人は死ぬまでに約6億回の呼吸を行うそうだ。

この世に生まれ、産声を上げた瞬間から呼吸はスタートし、1日に2万回以上の呼吸が行われ続けるという。

僕たち私たちは、無意識ながらもとんでもない数の運動を毎日続けているのだ。

言うまでもなく、呼吸はすべての活動の基礎である。

生命を維持するためになによりも優先される運動だ。

例えば、食べ物がない状況下での人の生存時間は10日から3週間ほどと言われる。

水がない状態では72時間だそうだ。

これらに対して呼吸停止の状態が10分続くと死亡率は50%程度に達してしまう。

息が4〜6分の間止まっていると低酸素によって意識を失いやがては心臓も止まってしまうのだ。

このように考えていくと誰しもが「呼吸=超重要な運動」と思うはずだが、あまりに無意識に行っている運動であるために関心がない人の方が実際には多いのではないだろうか?

現に私に関して言えば「呼吸」について関心を持ったのは2018年と30代になってから。

「鼻呼吸」の重要性に気づいたのはそれこそごく最近で2023年初頭になる。

「鼻呼吸のトレーニング」という新しいプロジェクトをはじめました。

そんな呼吸について関心を寄せるようになった私が今強く実感していることがある。

それがタイトルにもある、どうやら「一番頭が回転する瞬間は呼吸をしていない」は本当のことのようだ。というものだ。

「本当のことのようだ。」とタイトルにつけているためもうお察しと思うが「本当に?」と思って今日まで検証をしてきた結果「?」が外れそうな状況にあるのだ。

「一番頭が回転する瞬間は呼吸をしていない」という話をどこで見聞きしたのか?

それは2021年の夏に初めて目を通した「勉強の価値」という森博嗣さんの著書の中だった。

以前にも何度か記事で取り上げている通りこの本は色んな気づきを私に授けてくれている。

参照:「沈黙の期間」が「自分だけの愉しさ」を確固たるものにする、という話。

参照:「考える」ためのチャンネルを持ちながら、老いていくのが「いい老い方」なのかもしれない。

今回の件について該当の箇所を以下で引用してご紹介したい。

考えている時は、呼吸がとても大事で、ここぞという難しい思考をするときには、息を止めている。

これは百メートル走の選手と同じで、息を止めないと瞬発的な力が発揮できない。

人間はそういうふうにできているようだ。

思考も同じで、一番頭が回転する瞬間には呼吸をしていない。

皆さん、それくらい考えたことがありますか?

棋士が対局をしているときも、きっと呼吸を整え、息を止めて考えるときがあるだろう、と想像する。

コンピュータプログラミングをしていても、運動したあとのように、深呼吸したくなるときが訪れる。

さて、いかがだろうか?

付箋やメモが残っていたことから、初めて目を通した2021年夏の時点でも気になっていたことが今でもよく分かる。

これは実際に検証してみたい」とあった。

そして、最近になって改めて読んでみた時から約1ヶ月間ほど、この「一番頭が回転する瞬間は呼吸をしていない」について検証してみたといった具合だ。

その結果、本当にそうなのかもしれないという状況になっている。

というのも、意識をしてみたところ「何かをじっくり考えた後に深呼吸をしたくなっている」瞬間が結構な時間あったのだ。

例えば、RANGERの記事を書いている時。

最近は主題を決めるまでに時間をかけ、決めたら一気に書くというスタイルをとったりすることが増えており、その後はめちゃくちゃ深呼吸したくなる。

クライアントから依頼のあった企画を考え、企画をまとめている時。

つい最近仕上げたばかりの企画書作成においては何度深呼吸をしたことか・・・

商品やサービスの名前を考えている時。

名前を考えた後は本当にどっと疲れる。

時間を忘れ読書をしている時。

最近読んでいる、利他ケア傷の倫理学、熟達論は没頭してしまう内容で、本当に真剣に読んでいる時は息を止めている感じだ。

そして、映画鑑賞にのめり込んでしまった時。

GWに観た4KスターウォーズEP1ファントム・メナスがそうだった。

いずれにしても、頭をフル回転させて運動している状態だからお腹が減る。

だいたいチョコレートなどの糖分が欲しくなる。

身体はほとんど動かないはずなのに、頭がめちゃくちゃエネルギーを消費するからだろう。

そして、深呼吸を私はとても欲した。

検証してみようと思っていなかった時の私は以上のようなことは考えたこともなかったため、今回意識してみることは非常に貴重な経験となった。

逆に言えば、以上のような状況に無いということは頭を使うことができていないという判断基準もできつつある。

1ヶ月間ほどの個人的な検証であるため、一般化するには遠いことかもしれないが、私の中ではほぼ確信になりつつある話。

生命活動としての呼吸も大事だが、考えている時も呼吸はめちゃくちゃ大事だ。

UnsplashBenjamin Rangerが撮影した写真

【著者プロフィールと一言】

著者:田中 新吾

プロジェクトデザイナー|プロジェクト推進支援のハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)|タスクシュート(タスクと時間を同時に管理するメソッド)の認定トレーナー|WebメディアRANGERの管理人(https://ranger.blog)|座右の銘は積極的歯車。|ProjectSAU(@projectsau)オーナー。

●X(旧Twitter)田中新吾

●note 田中新吾

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