RYO SASAKI

健康法のアップデートをキッカケにして、体と脳の最適な関係が整理できた話。

タナカ シンゴ

また、ビールの夏がやってきた。

昨年の夏には、あんなにヘイジーIPA(ビールの一種)への愛を語っていた私だったのだが、その後冬に入ってビールを飲みたいとまったく思わなくなった。

また飲み過ぎて、飽きてしまったのだろう。

いつものかかり過ぎが出たんだ、と自分を冷ややかに見ていたのだったが・・・。

夏がまたやってきてチャンとビールを欲するようになった。

どうやら食べたいもの、あるいは、飲みたいものが、循環しているようだ。

それでふと思ったのは、ここのところまた急に健康法の本に目が止まり始めたことだ。

調べてみると健康オタクの私が健康法について記事にしたのは1年半前だった。

その時は、健康情報が多すぎてキリがないから、原点の食事・睡眠・運動・入浴に絞る、と総括した。

その後、健康本を見ても不要な情報だとして何も感じなかったのだが、1年半経ってなぜだか気になるようになった。

まったく欲していないのに急に欲するようになったりすることがあるものだ。

これもビール同様に欲の循環とでもいうのだろうか?

今回はこのやってきた健康法という欲の波にそのまま身を任せて、健康本から思うところを書いてみたい。

健康法のアップデート

この健康法欲の波は、丁度いいアップデートタイミングなのかもしれない。

最近も相変わらず、たくさんの本で様々な健康法が紹介されている。

健康法は数多あるがゆえ、私の興味は以前と変わらずに、どの健康法を優先して絞り込むか?というものだ。

いろいろな健康法の優先順位をつけるために健康法どうしを比較したエビデンス(長期に渡る実験など)というものが、ほとんどないのが実態で、比較というものが至難の技なのはわかっている。

だから、最後は勘で選ぶしかない。

ならば、せめてたくさんの本の、また、いろいろな視点の、共通点を見出すことがひとつの方法なのではないか?

そんな風に何とか抵抗していってみたい。

例えばこちらの本は、科学的なエビデンスがある健康法のみを集約して紹介してくれている。

筆者の経験から導いた健康法は一切入っていない。

同時に、世間で通説が流れているものでも、エビデンスのないものは真偽がわからない、としてもいる。

また、以下の本などは、直接の健康法ではなくて、よりよく生きる方法は?といった哲学的な本なのだが、これらの中に健康と密接に関連するものがあって、これらの間接的な情報が、健康法の優先順位にヒントを与えてくれたりもする。

(参考図書)

『シンプルで合理的な人生設計』

『半分、減らす。「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる』

『買うな! 使うな! 身近に潜むアブナイものPART1』

これらの健康関連情報を1年半ぶりに統合してみて、健康法に対する私の勘は、

結局、「優先すべきは睡眠と食べ物と運動である。」

というところに落ち着いた。

前回とほとんど変わっていない。

安心するような物足りないような・・・、そんな結果になった。

「砂糖」にフラグが立つ

そんな変わり映えのしない結果ではあったが、引っ掛かったモノがひとつあった。

それは、「砂糖が危険」というものだ。

砂糖の危険性については、10年前くらいに初めて聞いたことがあって、私はこれまで家に砂糖を置かなくても困ることなく長らく暮らしてきた。

砂糖を含有している食べ物を摂らないというわけではないのだが・・・。

糖、その中で特に砂糖が危険である理由を列挙してみると、

・シミ、シワが増えて見た目が老化する。

・血管に炎症を与える。

 ※これらは、AGE=たんぱく質が糖によって変性を受けたもの、によって。

・急激に高血糖になるため、反動で低血糖になる。(やる気がなくなる、キレやすい)

・中毒性がある。

以前聞いたものとあまり変わらないのだが、今回に限って「砂糖が危険」にフラグが立ったのは、いろいろな本で等しく主張していること、そして以前よりエビデンスがいろいろ出てきていることによるものだった。

今は、「砂糖」が方々からボロクソに言われて、炎上している、まるでそんなように映る。

糖の中でも砂糖は精製されているから、消化も早く吸収が早い優れモノだ。

それゆえに、急激に血糖値を上げてしまって、それが体に悪影響を与えるのだ、という。

優れモノに落とし穴、というところがまた興味深い。

そして、これだけ美味しくて、人に愛されてきた便利なモノが炎上することになるとは・・・。

物事には、表に対して裏が必ず用意されている。

これは今世紀のコペルニクス的転換のひとつと言えるのではないか?

何でも大げさに言う癖がある私・・・汗。

そんな悪いモノがとても美味しくて食べると幸せで、全く悪びれもせずにバンバン紹介されてバンバン買われている。

この相反するものどうしがどちらも大手を振って共存する時代に今生きている。笑。

この不都合な真実がまたひとつ出現した、矛盾を抱えた社会が興味深い。

「あの時代は、砂糖タンマリ入れてたなあ。良い時代だったなあ。」

などと、今を振り返る未来が来るのかもしれない。

細胞の声を聴く

この砂糖の中毒性で、思ったことがある。

「細胞の声を聴く」という言葉。

これは以前こちらの本で知ることになった。

~人は、脳が出しゃばりすぎてはバランスを崩す、体(あるいは心)が主役にならなければならない~

以前にこのメッセージに感銘を受けた私なのだが、この、体を主役にするために脳が指示する表現として、

「細胞の声を聴く」

が最適な言葉だと感じたのだった。

最近この言葉を字面だけではなくて、体験から少し理解したことがあった。

私は私の股関節痛の原因を骨格全体の変形にあるとして、ここ数年治療をしてもらってきている。

ゆっくりではあるのだが、骨格の変形の改善を感じている途上でのこと。

就寝前に布団に入った時に股関節の前を伸ばす、股関節と腰骨を引き離す、背筋を伸ばす、などのストレッチを行うようになった。

これは、頭がそうした方がいいと学んで始めたのではなくて、その恰好のままでは股関節周り、背骨の居住まいが悪いと感じたので、自然にストレッチに押し出された、というものだ。

これまでは固まっていてストレッチすることもままならず、もちろん、ストレッチしようとも思わなかった。

それが改善に向かって、ストレッチできるようになってきた。

細胞は、改善途中のあるポイントを超えたところで、あるべき方向を目指し始めるのだ、と感じた。

これが「細胞の声を聴く」という形のひとつだと感じたのだ。

更に、立っている時に背筋を伸ばしたくもなって、伸ばすと内臓が上に引っぱられるように感じられる。

これまでは歪んだ骨格にブロックされて、内臓が引っ張られるまでに至らなかったのだ。

ここまで私の内臓は下垂していたというのか・・・。

そしてまた、お腹の脂肪がポコッと前に出て、デブが目立ち始めた。

出典:1日たった1分でポッコリお腹撃退!ポイントは5秒の深呼吸法

私は、これまでそんなに太っていないテイで生きてきていた(笑)のだが、どうも骨格が歪んで、腰が曲がり始めることで、お腹の脂肪が隠れていたようだ。

そして、背筋を伸ばすことでポッコリお腹を出していると今度は食欲が自然に減退してお腹が少しずつ、へこみ始めたのだ。

骨格が変わるというのはこれだけのインパクトがあるのか!?

私は今までどれだけ歪んだまま生きてきたんだろうか?

ともかく、たくさんの細胞で構成されている体は、連携してメッセージを送ってきているものなのだ、とあらためて感じ、そして、このことを見本にして、体の声をチャンと聴いて生きるのが、また健康なことなのだ、と感じるのだった。

体と脳の最適な役割分担

さて、砂糖の中毒性の話が、「細胞の声を聴く」話にどうつながるのか?

以前、脳がでしゃばらずに、脳が体の声を尊重することが、私の若い時に欠けていたものだと感じたわけなのだが、そうすると今度は体の声を何でも聴けばいいのか?という疑問が生まれる。

脳によるコントロールは不要なのか?

そんなことはない。

これは体と脳のバランス、役割分担に関することだ。

前提としての理解は、人の体がありのままに感じることは、生存のために必要な機能である、というものだ。

人は生き抜くために時にワガママになり、時に狂暴になるようにできている。

その機能が、社会で他の人々と生きる上で、支障になることがあるわけだ。

この生存のための機能が、過剰に働いてしまうことがあるから、脳での抑制、コントロールが必要になる。

何でも体の欲のままでは問題が起こる。

つまり脳のひとつの役割は、体が感じることを尊重しつつも、最低限社会に適応するためにその役割を担う。

役割分担があるだけで、体が過剰に働くからと言って脳がマウントをとって責めてはいけないのだ。

脳は、スタータレントを上手くなだめながらヨイヨイにやっていく、年上のマネジャーのようなもの、と言うのが妙にピッタリする。笑。

ここで、中毒性がやっと登場する。 体が感じることを尊重する場合に要注意なのが、砂糖を始めとした中毒性なのだ。

やり過ぎると壊れてしまうのに体が欲してしまうものをそのまま尊重していてはこれまたまずい。

この中毒になる原因は、2つのことがからまっていると思う。

ひとつは、砂糖のように体との物質的な相性が悪いモノ。

新しく作られたものにアンマッチなものが多いのだろう。

もうひとつには、抱えているストレスだ。

人は、ストレス解消を求めて中毒性物質にはまり易くなる。

このことを、人はストレスにさらされると危険を感じて、食欲を増すホルモンを出すものだ、と聞いて確信するようになった。

食べ過ぎの原因にストレスがある。

この古くから人が持っている機能で今の環境にややアンマッチなってきているもの、これによって発せられる体の声についても脳がコントロールしないとならない。

あるいは、ストレスを減らすか、どちらかが必要なのだ。

ここまでをまとめると、脳は古くから持つ機能(食欲含む、生存欲)が過剰に出ることに抑制を加え、中毒に対して体の声のままにさせずに抑制する役割である、ということ。

それ以外は、体の声を尊重する、ということに着地する。

加えると、中毒に注意するということはストレスに注意するということになる。

これが体と脳の最適な役割分担であると感じられるのだった。

さて、ずいぶん話が膨らんでしまったようなので、かろうじて健康法のアップデートに最後戻る、とする。

優先すべき健康法、今回の結論は、

睡眠、食事、運動に加えるとすると体の声に従うということになる。

体の声については、中毒性と生存のための機能によるものには注意して、という条件付きだ。

ストレスは中毒性を招きやすいと言ったのだが、ぐるっと回って、体の声を聴くことがストレスを減らすことにもなる。

ストレスを減らすことも健康には重要で、また深淵だ。

優先付けと言いながら、また健康法の項目が増えてしまった。汗。

また健康法を欲した時に、こんな風にあーでもない、こうでもないと健康法のアップデートをして行こうと思う。

今回は、こんなところにしたい。

そう言えば・・・。

今回のそもそものキッカケは、波のようにやって来た健康法への興味。

そしてまた、それを感じたキッカケが、ビールが飲みたいという欲の波がやって来たことだった。

これも、また体の声を拾っているということではないだろうか?

などと、もっともらしく書いてきたものの、糖や中毒が危険だと学んでいるのに、アルコール、これも言わずもがな糖の一種で、アルコール中毒で悪名高きお酒についてはやめるべきものとして優先を高いところにあげることもなく、沈黙を通した私。

それは好きなモノがNGを喰らうと不都合だから。

うーん、私の中にも矛盾が・・・健康法のアップデートはまだまだ必要なのかもしれない。汗。

UnsplashTim Fosterが撮影した写真

【著者プロフィール】

RYO SASAKI

あくまでも穏やかにですが、砂糖を別の糖に、糖を炭水化物に、炭水化物をタンパク質に置き換えていってみたいとも思えるようになってきました。

工学部を卒業後、広告関連企業(2社)に29年在籍。 法人顧客を対象にした事業にて、新規事業の立ち上げから事業の撤退を多数経験する。

現在は自営業の他、NPO法人の運営サポートなどを行っている。

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