「相手からオススメされたことを試して、オススメしてくれた相手に試した結果を報告する」は、人間関係を良くする技術。
出出しから問いかけになるが、
「自分がオススメした物事を試してくれて、相手からその結果を試してみた結果を報告してもらった」
という経験をしたことはどのくらいあるだろうか?
これまでの人生の長さにも拠ると思うが「全くゼロ」という人はおそらく少ない。
私自身のこれまでの観測範囲(30代中盤)で言うと「無茶苦茶多くはないがしばしばある」といった具合だ。
そして、こうした経験を通して「相手からオススメされたことを試して、オススメしてくれた相手に試した結果を報告する」は人間関係を良くする技術、という経験則を獲得してきた。
オススメされたことを試して報告をしてくれた人たち
直近の数ヶ月を振り返ってみても、私がオススメしたことを試してくれて尚且つ報告までしてくれた人がしばしばいた。
例えば、知人のMさん。
Mさんには「アイマスク」をオススメした。
睡眠の質に問題を抱えているような話だったからだ。
Mさん「眠りを良くするためにしていることって何かありますか?」
私「んー、例えばアイマスクを付けて寝るようにしていることかな」
Sさん「アイマスクですか?」
私「そう、bakuneアイマスクっていう商品なんだけど、フィット感も気にならず、光を完全にシャットアウトしてくれて、目元が温まるからなのかとてもよく眠れるんだよね」
Sさん「へ〜アイマスクですか。それはいいかもしれないです」
私「起きた後、よく目ヤニが出ているんですが目に溜まった老廃物をしっかり出してくれているみたいでデトックスされる感じがさらに良くて」
Sさん「なるほど!いい話を聞きました。ありがとうございます。」
それから数日後。
Mさんからアイマスクを試してみた報告を下記のとおりもらった。
「この間、オススメしてもらったアイマスクを買いました!めちゃくちゃいいですね!目ヤニが凄く出てきました」
*
それから弟嫁のNさんからもオススメを試した報告を受けた。
Nさんとは家族の集まりで時々会うことがあり、その都度決まって「漫画・アニメ」の話になる。
私が知っている人の中でも相当数読んでいる。
しかも詳しい。
そんなNさんには「ワールドトリガー 」という漫画をオススメした。
Nさん「最近何かオススメの漫画ありますかー?」
私「んーそうだねえ、ワールドトリガーっていう漫画は知ってる?今はジャンプスクエアで連載中なんだけど実はその漫画が一番と言っていいくらい好きでオススメかな」
Nさん「聞いたことはあるんですけど読んだことはないですね、面白いですか?」
私「すごく面白いね。カテゴリー的には戦略系バトル漫画なんだけど、個性的なキャラが沢山出てくるから推しもきっと見つかると思うよ。絵もマイルドなところが好きで。」
Nさん「そうなんですね!今度読んでみますー」
それから数日後。
Nさんから試した報告を下記のとおりもらった。
「この間オススメしてもらったワートリ最高ですね。一気に読んじゃいました。諏訪さんかっこいいし、(香取)陽子ちゃんも可愛い。これからの展開が楽しみすぎます!」
*
つい最近も、知人のOさんからオススメを試した報告を受けた。
Oさんには「エナージェル」というボールペンをオススメした。
Oさん「紙に書く場合のこれぞという一本の筆記用具はありますか?」
私「紙に書く場合は、ぺんてるのエナージェル一択ですね。」
Oさん「エナージェルですか。どの辺がお気に入りですか?ペン先は何ミリでしょう?」
私「0.5mmのノック式のもので、握り心地、書き心地がよく使い続けている感じです!」
Oさん「田中さんがご愛用とのことで試してみたくなってきました」
私「もしよろしければ是非お試しください〜」
こんな具合のやりとりをさせてもらい、それから数日後。
Oさんから試した報告を下記のとおりもらった。
Oさん「田中さんご愛用のエナージェルを入手しました。書き味が抜群に滑らかです。ペン先がスムースに走る。一択のワケはこの辺ですかね。」
誰かからオススメされたことを試す人はとてもレア
ただ、世間一般的にはこういう人たちの存在は希少だと私は思う。
経験則ではオススメを聞いても試さない人の方が断然マジョリティだ。
感覚的には試さない人が8割から9割。
人は誰かに何かをオススメすることは好む。
しかし、誰かからオススメされたことを試す人はとってもレアだ。
誰かにオススメすることを私たちが好むことは「説得力と影響力の科学」という本の中にも示されている。
どうやら他人に情報を与える機会は、内的な報酬をもたらすようだ。
ハーバード大学が行った研究では、人は自分の意見が他人に広まるならば、進んで金銭的利益を見送る傾向にあることがわかっている。
ここで述べているのは、考え抜かれた見識についてではない。バラク・オバマはウィンタースポーツを好むのか、紅茶とコーヒーはどちらがおいしいか、といった平凡な話題についての意見である。
脳をスキャンすると、自分のとっておきの知恵を他人に伝える機会を得たとき、脳内の報酬中枢が大いに活性化するのがわかる。
意見を伝える喜びを知っているからこそ、人は他者とコミュニケーションを取ろうとするのだ。
これは私たちがもつ見事な特性だ。
というのも、この特性のおかげで知識、経験、アイデアがそれを初めて手に入れた人の中に埋もれにくくなり、私たちの社会もそこから様々な恩恵を受けられるのだから。
(太線は筆者)
「自分のとっておきの知恵を他人に伝える」とはまさに「オススメする」のことだ。
そして、オススメできるという機会自体が私たちの報酬ということである。
であるから、誰かから「オススメはなんですか?」と聞かれたことがあった場合、得られるアメをみすみす逃すようなことは絶対にしない。
むしろ求められている以上にオススメしてしまう人だっている。
その一方で、
「何かオススメないですか?」と聞く方に関しては、聞いたとしてもそれを実際に試す人はなぜか僅かしかいない。
試したことを相手に報告までする人はさらに絞られてくる。
大切にしたいと思う人に限りある時間を精一杯使う
これらのことから導出できるものとは一体何か?
思うに「オススメを聞いてオススメを試して、試したことを報告することで相手にとってレアな存在になれる」というものだ。
これはシンプルに、試す人の方が圧倒的に少ないから。
事実、先で紹介した3名の方たちは私の中で「レア認定」がされており、大切にしたいと思える存在としてしっかり位置付けられている。
こういった人達にはオススメのしがいがあるので、今後もきっといいネタを提供していくだろう。
そして、こうした経験をこれまでの人生でも複数積んできたことが影響して、私自身も誰かからオススメしてもらったものは出来うる限り試して、報告までするように意識しているところがある。
これは30代になってから特に意識しはじめたもので、今でも絶賛大事にしていることだ。
最近も、知人のWさんから「ある漫画」をオススメしてもらったのだがこれもしっかり読んで報告までが済んでいる。
私「Wさん、何かオススメの漫画ありますかね?」
Wさん「ピッコマで読めるんですけど『俺だけレベルアップな件』はめちゃオススメです。」
私「タイトルがラノベっぽいですね笑」
Wさん「2023年からアニメもやるみたいです。」
私「アニメの特設サイトを観たんですけど、音楽が澤野弘之さんで、アニメーションがA-1 Picturesなんですね、これは絶対好きなやつだと思います・・・・漫画もピッコマで観てみますね」
それから数日後。
試した報告をWさんに私はした。
「この前オススメしてもらった俺だけレベルアップな件なんですが、ピッコマで毎日欠かさず見るようになりました。無料で読むためには1日待たないといけないのがなんとも歯痒いです。これはアニメも期待しちゃいますねー。」
報告を受けたWさんはとても嬉しそうにしていた。
私が思う、人間関係を良くしていくための基本原則は主なところで二つある。
①人間関係を育てることは効率化できない
②人に信頼をしてもらうには時間がかかる
ここから導かれる方針は「大切にしたいと思う人に限りある時間を精一杯使う」ということ。
そして、相手からオススメしてもらったことを試して、オススメしてくれた相手にその試した結果を報告する、というのはこの方針にビッタシハマる。
だからこそ、これから先も、私が誰かにオススメを聞いて、教えてもらったオススメが、試すのに大きすぎるハードルがなければどんどん身銭を切って試したい。
そして試したことはしっかりと報告していきたい。
試した結果が自分にとって良くも悪くも。
こうした時間の使い方は、確実に良い人間関係を作ることにつながると強く思うから。
UnsplashのIwaria Inc.が撮影した写真
【著者プロフィールと一言】
著者:田中 新吾
プロジェクトデザイナー|プロジェクト推進支援のハグルマニ代表(https://hagurumani.jp)|タスクシュート(タスクと時間を同時に管理するメソッド)の認定トレーナー|WebメディアRANGERの管理人(https://ranger.blog)|座右の銘は積極的歯車。|ProjectSAU(@projectsau)オーナー。
●X(旧Twitter)田中新吾
●note 田中新吾
「俺だけレベルアップな件」にはすっかりハマってまして、アニメのスタートが今から本当に待ち遠しいです。
TVアニメ「俺だけレベルアップな件」
会員登録していただいた方に、毎週金曜日にメールマガジン(無料)をお届けしております。
「今週のコラム」など「メールマガジン限定のコンテンツ」もありますのでぜひご登録ください。
▶︎過去のコラム例
・週に1回の長距離走ではなく、毎日短い距離を走ることにある利点
・昔の時間の使い方を再利用できる場合、時間の質を大きく変えることができる
・医師・中村哲先生の命日に思い返した「座右の銘」について
メールマガジンの登録はコチラから。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからもRANGERをどうぞご贔屓に。